■半農生活と農的生き方
昨日、半農生活をテーマにしたサロンを開催しました。
20人ほどの人が集まりました。
農業への関心の高さを改めて感じました。
一昨日、NHKのクローズアップ現代で「農業ビジネス」が取り上げられていました。
イオンが茨城県に農園をつくったとか、自治体が地域活性化のために企業を誘致して農業に取り組んでもらうというのがテーマでした。
いわゆる儲かる農業、アグリビジネスです。
これに関する私の意見は前にも書きましたが、儲かる農業という発想自体に限界を感じます。
番組では牛久市の市長が、もう10年もしたら農業をやる人はいなくなるといっていました。
以前からずっと言われ続けている警告です。
だから企業に農業の担い手になってもらうということでしょうか。
それこそ農業をなくすことではないかと私は思います。
農業は決して「産業」ではないのです。
文化です。
その文化がなくなるはずはありません。
農業は「農」と「業」のどちらに重点を置くかで全く違ったものになります。
業としての農業ではなく、農としての農業は、人間がいる限りなくなくなりはしないでしょう。
昨日のサロンは実にさまざまな人たちが集まりました。
小作料を増やしたい、相続した農地を有効活用したい、農業分野で起業した人を応援したい、企業の社会貢献活動として農業にかかわりたい、地域史の研究の関係で農業を学びたい、職位句を考えるためにも農業を知りたい、まちづくりの切り口に農業を活かしたい、などなど実にさまざまな動機で集まっています。
実際に農業活動をして、その魅力に取り付かれた人も少なくありませんでした。
思いや動機はさまざまですが、話を聴いていて、基本的なところでは通底していることを感じます。
みんないまの生き方を変えたいのです。
ここが重要なポイントです。
業としての農業を考えていては、それは実現しません。
発想の基点を変えなければいけません。
そして発想の基点を変えれば、別に農業をしなくてもいいのです。
大切なのは、農的生き方ということです。
そこをあいまいなままにした「農業ブーム」は百害あって一利なしです。
この私の考えが間違っていればいいのですが、
私の今の生き方は、かなり「農的生き方」なのですが、なかなかみんなにはわかってもらえません。
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