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2009/12/13

■普天間基地問題への鳩山首相の取り組みを評価します

普天間基地問題に対する鳩山首相の取り組みにとても共感しています。
私の鳩山首相への信頼感は世論とは反対に高まっています。

鳩山さんはともかく沖縄から、さらにいえば日本から米軍の基地を少しでもなくしたいと思っているのではないかと思います。
それが普通の感覚だと思います。
少なくとも私は大学に入って少し洗脳された1960年からずっとそう思っています。
その視点から考えれば、鳩山さんの発言は違和感なく受け入れられます。

閣僚の意見がばらばらだといいますが、私はホメオカオスの典型的な状況のように感じます。
最初から決めるのではなく、動きながら決めていく。
多様な意見がぶつかり合う過程でしかるべき方向に収まっていく。
一言でいえば、きわめてエコロジカルなアプローチです。
よほどの信念のある人でないと出来ない取り組みです。

静態的な均衡モデル発想では、ノイズは除去されるべき存在ですが、動態的な自己組織化発想では、ノイズ(ゆらぎ)は自己触媒的にゆらぎを育て、状況を新構造へ進化させます。
「創造的な個の原則が集団の原則を凌駕する」というわけです。
その際、進化の到達点は、どのくらいの異質なノイズを包摂しているかによって決まります。

ダーウィン進化論に異を唱えた今西錦司は、「生物と環境のあいだのバランスが保たれている限り、その生物にとっては突然変異を必要としないが、環境との問にアンバランスが生じ、それによって生物がテンションを感じるようになれば、その解消のために生物はそのレパートリーの中からこれに適した突然変異をとりだし、自分をつくりかえることによって環境とのバランスをとりもどし,再適応をとげていく」と著書に書いています。
昨今の普天間基地問題の議論の動きを、まさにそんな枠組みで見ると、現状のホメオカオティックな状況は輝いて見えてしまうわけです。
一見、混乱しているようでも、そこには見事なまでの「進化的に安定した戦略」があるのです。

かなり買いかぶっているといわれそうですね。
たしかにその通りです。
鳩山さんが救世主だと思っているからです。
彼は毒されていないのが信頼できるのです。

母親からの9億円の提供は、たしかに行政手続的には違法行為でしょうが、母親が子供を応援するのは自然の情理です。
たまたま9億円などと金額が大きかったのですが、鳩山家にとっての9億円はわが家にとっての100万円程度でしょう。
そう考えれば、私は娘が困っていたら100万円くらいは工面します。
親子の情とはそんなものです。
しかも、鳩山親子は私たち国民のために9億円も使ってくれたのです。
もっとも、その9億円に集まってきた人がしっかり役立ててくれたかどうかはわかりません。
しかし、その善意には私は感謝したい気分です。

またきっと辛らつなコメントがくるでしょうが、私は鳩山さんの純粋さに期待しています。

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コメント

ホメオスタシスは知っていましたが、
ホメオカオスは非常に面白い理論ですね。

ちょっと調べてみたところ、ここを見ると、
http://www.toshiba.co.jp/elekitel/sci_talk/content/fuse/fuse03.htm
---<引用>---
つまり寄生率が高くなって出現するカオス的不安定性を、種を多様化し、不安定性を弱めて、動的に安定共存するようになる。この弱められた大自由度のカオスをホメオカオスと呼んでいるんです。
---<引用終了>---
と書かれていて、「種を多様化する」という点に非常に関心を持ちました。

つまり、上記の理論で考えると、組織をホメオカオス状態にするには、
障害者、外国人など、いろんな種を組織に参加させる必要があるということになります。
そうすれば、企業が障害者を採用する理由ができます。

以前、ブログでホメオカオスのことを書かれた際に、
「組織論などでいろいろな機会に書いてきた」とのことですが、
書かれた文献など教えてもらえませんか?

企業へ障害者の採用を促進するための参考にしたいと考えております。

投稿: やべっち | 2009/12/16 13:45

やべっちさん
気づくのが遅くなりました。
すみません。

>以前、ブログでホメオカオスのことを書かれた際に、
「組織論などでいろいろな機会に書いてきた」とのことですが、
書かれた文献など教えてもらえませんか?

私の場合は、きちんと書いたことが無く、言葉を出すことだけで終わりがちですね。
たぶん最初に書いたのはもう大昔ですが、「複雑系の経済学」(ダイヤモンド社)の時に言及したものだと思いますが、コミュニティのサイトでは次のところの言及したものがあります。
http://homepage2.nifty.com/CWS/kigyoubunnka.htm#hc

それとホメオカオスとダイバーシティ戦略とは深くつながっていると私も思いますが、日本の企業にはその発想がほとんどありません。
ですから日本企業のダイバーシティ戦略は全く意味がないように思います。
各社の取り組み事例を聞くとむしろ逆方向ですね。

投稿: 佐藤修 | 2009/12/18 08:01

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