■「あの人たちはずるいんです」
足利事件の再審公判でで、かつて菅家さんを取り調べた宇都宮地検の森川大司元検事の証人尋問が実施されました。
菅家さんは「謝ってください」と繰り返し強い口調で元検事に求めましたが、元検事は最後まで謝罪に応じなかったそうです。
菅谷さんは、かつての取調べで森川さんから言われた「人間性がない」という言葉を、森川さんに向けて言っています。
私も同感ですが、こうした人間性のない人たちが日本の裁判をやっているのです。
ゾッとします。
これは例外だと思うかもしれませんが、そんなことはないでしょう。
その組織や世界の文化は、必ずこういう形で現れます。
検察の常識を見事に象徴しているのです。
森川さん個人の問題ではないのです。
これに関しては、私は弁護士も同じ文化にあると思います。
公判後の記者会見で、菅谷さんが、
「あの人たちはずるいんです」
と言っていたのがとても印象的でした。
そこに含意されていることの意味を、私たちはしっかりと受け止めたいものです。
ずるい生き方を裁く人がずるいと思われるような日本の司法制度は間違っているはずです。
本当の意味での司法改革をしてほしいものです。
もし三権分立で、司法界がかつ中立であるのであれば、司法官僚などがのさばる仕組みは封じなければいけません。
しかし、権力の権化である司法界こそ、実は最高に非人間化しやすい素地を持っています。
こうした動きを回避するには、司法の透明性とガバナンスを変えることです。
それはたぶん国家が脱国家することなのでしょう。
そうした動きは北欧から始まっているようにも思えますが、日本がそうなっていくのはもう少し時間がかかるのでしょうか。
昨今の「司法改革」はまったくおかしな方向を向いています。
それにして、小沢さんに対する検察の事情聴取が明日と予定されている今日、こうした報道が行われるのは、なにやら「できすぎている」気もします。
これは偶然なのでしょうか。
だれかの意図なのでしょうか。
意図的な結果だとしたらこれもまた感心します。
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コメント
これまでの小沢氏の一件で修さんがおっしゃっていることを
「上手に」(笑)伝えている文章がありました。
江川紹子「東京地検特捜部の判断は常に正しい、のか」
http://www.egawashoko.com/c006/000315.html
本当に透明性を高めていくことが大事だと思いました。
参考までに。
投稿: 矢辺卓哉 | 2010/01/23 20:17