■節子への挽歌866:青い空
節子
昨日、福山さんからメールが来ました。
「青い空」というタイトルでした。
私が空が好きなのを知っているかどうかは不確かですが、私も、そして節子も、青い空が好きでした。
私たちが、空の青さを意識しだしたのは、エジプト旅行の時でした。
私は、それまで忘れていた、空の青さの深さを思い出しました。
いつか書いたような気がしますが、私は大学生の頃、自分が空の青さに吸い込まれるような気になったことがよくあります。
大学を卒業して以来、それを忘れていましたが、家族でエジプトに旅行した時に、それを思い出したのです。
以来、空を見る習慣が戻ってきました。
無為に空を見ていると見えない世界が見えてくるような気がして、心が落ち着きます。
そういえば、この1週間、空を見たことがありませんでした。
福山さんは、それを知っていたのでしょうか。
福山さんには節子は会ったことはありません。
節子がいなくなってからお会いしたのです。
その福山さんからのメールには智恵子抄の話が出てきて、その後に奥さんのことを思う佐藤さんの想いが思い出されました、と書かれていました。
そのときは、実は昨日書いたような状況だったので、読み流しましたが、今日、湯島に来て、暖かな陽射しの中で空を見ていたら、そのことを思い出しました。
今日の東京の空は深さのない青さです。
青さの向こうに、たぶん彼岸があると私は昔から思っています。
西方にあるのでも地底にあるのでもなく、彼岸は仰ぎみる空にあるのではないかと思っているわけです。
彼岸からは私たちがよく見えなければならないからです
ちょうどいま、その空を大きな鳥が飛んでいきました。
見ているとけっこう鳥が飛び交っています。
空の上から、節子も見ているでしょうか。
空の青さは見れば見るほど豊かです。
| 固定リンク
「妻への挽歌05」カテゴリの記事
- ■第1回リンカーンクラブ研究会報告(2021.09.06)
- ■節子への挽歌1000:パッセンジャーズ(2010.05.29)
- ■節子への挽歌999:新緑(2010.05.29)
- ■節子への挽歌998:花の季節(2010.05.27)
- ■節子への挽歌997:「解けない問題」(2010.05.26)
コメント