■節子への挽歌874:あなたは私の人生の一部
昨日の挽歌に、いろはさんからコメントをもらいました。
それに触発されて、思い出した映画があります。
リチャード・ギア主演の法廷サスペンス「北京のふたり」です。
殺人の罪を着せられたアメリカ人男性ジャックと、古い因習を断ち切って彼の弁護を引き受ける中国人女性弁護士ユイリンとの心の交流を描いた映画ですが、いずれにも「愛する人」へのある「思い」があります。
この事件で、それぞれがその「思い」を断ち切り、人生を変えて行くという話です。
筋書きなどはネットをご覧ください。
いろはさんのコメントには直接つながらないように感ずるかもしれませんが、私の中ではつながっている話です。
今朝、その思い出した部分だけをDVDで観てみました。
少し長くなりそうですが、おつきあいください。
その最後の場面は、一人で帰国するジャックとユイリンとの空港での別れの場面です。
ジャックはユイリンに一緒にアメリカに行こうといいますが、ユイリンは断ります。
そしてこういうやりとりがあるのでウ。
少し長いすが、おつきあいください。
J:それじゃ、これでお別れ? 何もなかったように。
Y:いいえ、それは違うわ。
私の生き方は変わった。あなたが私を変えたのよ。
あなたは私の人生の一部よ、ジャック。前の私とは違う。
J:僕もだ。
Y:私をあなたの人生の一部にして。どこにいても、
J:どこにいても。
J:さよなら
Y:さよなら
こう書いてしまうと味気がないですが、この場面は、あまりできのよくないこの映画の中ではまあまあの出来といっていいでしょう。
いろはさんは、コメントで「愛する人と別れても深く愛し続けている」ということに共感が得られると書いてくれていますが、一度愛した人への愛が続かないのであれば、それはたぶん愛していなかったからだろうと私は思っています。
もし愛していたら、その人はもう自分の人生の一部になってしまっている。
私がこのセリフだけをずっと覚えていたのは、そのことに共感したからです。
私もまた、節子によって大きく生き方を変えられたように思います。
そして節子もまた、そうだったはずです。
だからその生き方からは、決して抜けることはないのです。
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