■節子への挽歌933:哲学するチビ太
節子
最近寝不足です。
以前は節子のことを思い出して眠れないことが多かったのですが、最近はそうではなくて、わが家のチビ太くんのせいで、夜中に起こされたり、早朝に起こされるのです。
今朝も5時半に起こされました。
そのまま起きてしまったので、今ごろになってとても眠くて仕方ありません。
まあこんな状況が続いています。
みんなはきっと仕事で忙しくて疲れているのだろうなと思ってくれているでしょうが、実はチビ太のせいで疲れているのです。
困ったものです。
さて問題は、そのチビ太くんです。
もう15歳の老犬で、耳も悪く、目も悪いのですが(頭も性格もあんまりよくないので、いいところがありません)、ほとんど終日寝ていますが、突然に起き上がって吠え出すことがあるのです。
声をかけるとキョトンとしています。
たぶん夢をみるのでしょう。
それだけではありません。
時々、なぜかある方向を向いて吼え続けたり、あるいは沈黙を保ったまま一定方向を見据えて動かないのです。
その姿は哲学者、いや哲学犬です。
何を考え、何を見ているのでしょうか。
長年の付き合いなのに、残念ながらチビ太とはなかなかコミュニケーションが難しく、その心情は理解できません。
時々思うのですが、もしかしたら目線の先に節子を見ているのかもしれません。
節子がいなくなってからチビ太には大きな変化はありませんでした。
なんと薄情な犬だと思ったのですが、そう思うのは小賢しい私くらいで、実はチビ太もまたいろいろと思うことがあったのでしょう。
なにしろ頭の悪い犬ですから、すぐには状況を理解できなかったのかもしれませんが、間違いなくその意味は理解しているようです。
そして哲学しているのです。
それが最近わかってきました。
哲学しているチビ太をみると節子を思い出します。
節子は頭が悪かった上に、哲学もしませんでしたが、小賢しい私に比べれば、誠実に生きていました。
存在そのものが哲学だったのです。
その証拠に、チビ太くんにまで哲学されているのですから。
小賢しい生き方から早く抜け出なくてはいけません。
もっと念仏しなければいけません。
| 固定リンク
「妻への挽歌05」カテゴリの記事
- ■第1回リンカーンクラブ研究会報告(2021.09.06)
- ■節子への挽歌1000:パッセンジャーズ(2010.05.29)
- ■節子への挽歌999:新緑(2010.05.29)
- ■節子への挽歌998:花の季節(2010.05.27)
- ■節子への挽歌997:「解けない問題」(2010.05.26)
コメント