■儲けようと思わなければつぶれない
市場拡大を埋め込んだ経済の中で、企業の倒産や店舗の閉店がまだ少なくないようです。
ところが、私の娘やそのパートナーのお店は、世間の不況には無関係に元気です。
私の会社(㈱コンセプトワークショップ)も20年以上、続いています。
娘にお互いに運が良いなと話したら、儲けてないからつぶれないんだよ、といわれました。
考えて見ると、それは至言です。
倒産したくなかったら儲けなければ良いのです。
昨日、名古屋に一緒に行った郡馬のホテルの経営者(佐藤洋司さん)もそうでした。
儲けていないのでつぶれないのです。
儲けていないと言っても、損をしているわけではありません。
佐藤洋司さんは、こう言います。
ねむるところと毎日の食事ができれば、それ以上のことは望まない、と。
かといって、彼がサボっているわけではないのです。
自分の家に落ちつく間もないほど、飛び回って仕事をしています。
スペインタイル工房(Taller de JUN)をやっている娘も、イタリアンレストラン(エヴィーバ!」)をやっているその伴侶も、朝から深夜まで一生懸命働いているのに、決して収入は多くありません(金額をいうと怒られるのでやめます)。
もっとも、2人とも私に比べれば収入は多いのですが。
何しろ私は土日も含めてそれなりに働いていますが、昨年の収入は50万円でした。
但し、お金以外の収入は山のようにたくさんもらっていますので、生活は豊かです。
汗の量と稼ぎの量は、きちんとお天道様は見ているのです。
もちろん、儲けようとせずに、誠実に仕事をしていてもつぶれるところはあります。
それは健康に気遣っていても病気になることがあるのと同じです。
でも、儲けに依存しない生き方ができれば、儲けがない時期があっても無理をせずに生きつづけられます。
そんなワークスタイル(ライフスタイル)を目指すと、生きやすくなるように思います。
そういう生き方を子どもたちに教える文化が回復されれば、50年後には住みやすい社会になるのではないかと思います。
暮らすためのお金を稼ぐワークスタイルに切り替えたら、暮らすためのお金さえもない人たちにもお金が回りやすくなるかもしれません。
そして、みんなきっと今よりも幸せになるでしょう。
これは、私だけの夢物語でしょうか。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 株の初心者の入門 | 2012/02/16 16:20
株の初心者の入門さん
ありがとうございます。
幸いにもまだ私の会社はつぶれていませんが、いささか危うくはなってきています。
困ったものです。
投稿: 佐藤修 | 2012/02/17 10:20