■事件の背景
またモスクワでテロ爆破事件が起きました。
報道では「黒い未亡人」といわれている、チェチェン弾圧の被害者の未亡人の自爆テロだといわれています。
ほんの少しだけ想像力を広げれば、彼女たちもまた被害者といえるでしょう。
日本ではあまりチェチェンのことは話題になりませんが、そこで行われたこと、行われていることは、普通の人であれば目を背けたくなるような状況です。
つい先日、チェチェン人難民認定申請者の不認定に関する抗議声明への呼びかけがメールでまわってきました。
チェチェンから脱出し、2年半前、日本で難民認定のための申請を行った2人のチェチェン人青年に対して、3月19日に日本政府は不認定の決定をしたのです。彼らは、この2年半にも及ぶ長い審査の間、最低限の生活費にも足りない支援費で食いつなぎ、健康も悪化させながら、ひたすら日本政府に難民として認定される日を待っていたのだそうです。
こんな事実は多くの人たちはまったく知らないでしょう。
私はチェチェン関係のメールマガジンを受け取っていますが、このメールが来るまでそのことに気づきませんでした。
このことに関しては、2010年3月20日のチェチェン総合情報のサイトをご覧ください。
9.11事件もそうですが、私たちは事件そのものの衝撃が大きいために、ついついその背後にある事情を考えることには無関心になりがちです。
しかし、大切なことは、そうした事件が発しているメッセージです。
それを読み解かなければ、事件はまた繰り返されます。
さらに、事件のもつメッセージを無視して、被害者側がその事件を手段としてまったく正反対のメッセージを発することも少なくありません。
かつての戦争の多くは、そうして起こされました。
「被害者側」と描きましたが、これはたぶん正確ではありません。
モスクワの爆破事件も、9.11事件も被害者と加害者の構図は、たぶんマスコミが描いているものとはまったく違うでしょう。
マスコミは強いものの見方ですから、常に加害者の側で報道します。
一見、弱いものの立場や正義を語りますが、それは文字通り「騙って」いるだけです。
注意しなければいけません。
ところで、中国の餃子中毒事件の犯人も逮捕されたと報道されています。
この事件の背後には何が見えるでしょうか。
もしかしたら、犯人逮捕もまた事件そのものかもしれないという気がしてなりません。
そうでないことを祈りたいです。
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