■節子への挽歌921:不条理さへの怒り
昨日、Oさんの不条理について書きましたが、
節子よりも、Oさんの奥様よりも、若いKさんもまた、不条理に自由を奪われた一人です。
節子と同じく、検査で病気が発見されました。
それを知った時に、どう対処していいか、わかりませんでした。
節子がいたら適切な応対ができたでしょうか、節子のことがあればこそ、どうしていいかわからなかったのです。
声のかけようさえ思いつきませんでした。
できるのは、毎朝、節子と一緒に彼女の平安を祈るだけです。
彼女は自らのブログを書いています。
以前は毎日書いていましたが、病気になってからは断続的です。
読むのが苦しい内容もあれば、ホッとする内容もあります。
先日、意を決してメールしました。
すぐに返信がありました。
以前のKさんと同じです。
うれしいこともありますが、ほとんどは苦しいことが続いています。文字の後ろにあるKさんの思いが伝わってきます。
がんとの闘病とはこういうことなのか、と改めて感じてしまいます。
それは私たちの思いでもありました。
私も節子さんのことをよく思い出しています。勝手に引用してしまいました。
がんで亡くなった友人たちのことも頭に浮かびます。
みんな、つらかったのだろうなと思うと、自然に涙が出てきます。
私も毎日、死というものと向き合うようになって、
ようやくがん患者の気持ちがわかるようになりました。
1日1日を大事に生きていこうと思います。
このメールにも、どう応じていいか、わかりません。
共通の友人は、私が考えすぎだといいます。
でも節子との4年半を思い出すと、一言の言葉さえもが、世界を壊すことがあるのです。
今年はKさんにとっては輝かしい年になるはずでした。
不条理な定めに怒りを感じます。
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