■減税こそが政治の役割
名古屋市の河市長は日本記者クラブでの記者会見で、「減税こそが政治の役割で、日本社会を変える第一歩だ」と話したそうです。
減税こそが政治の役割。
私がずっと思っていることでもあります。
現代の政治は税金によって賄われています。
ということは、政治の基本は税金を集めること、増税といってもいいかもしれません。
私たちも政治のためには税金を納めることが必要だと考えています。
なぜ「統治者」に税金を納めなければいけないのか、などと考える人はいません。
税金を納めていない人は、フリーライダーだと非難されかねません。
でもそれって正しいでしょうか。
どこかおかしくないでしょうか。
河村市長の発言の意味は、そうしたこととは別次元の話なのかもしれませんが、「減税は政治の役割」という言葉には様々な示唆があるように思います。
いまの社会から恩恵を受けている人は、今の体制を維持したいと思うでしょう。
社会秩序の維持のために資金を提供することは理にかなったことです。
しかしいまの社会の恩恵を受けることの少ない人は、今の社会を変えたいと思うでしょう。
社会秩序変革のためであれば資金や労力を提供してもいいと思うでしょう。
しかし現体制維持のために税金を払うことは理にかなったこととはいえません。
まあそうしたことの不幸な現われが、たとえば今タイで起こっていることです。
税金は政府維持のためではなく、社会体制変革のためにも使われると言われるかもしれません。
現に今回の民主党政権への交替で、多くの人はそれを期待したと思います。
しかし、残念ながら社会秩序はそんなに簡単に変わるはずはありません。
税金のほとんどは、政権交替にもかかわらず、現体制を維持するために使われるからです。
つまり税金とは体制を維持するための資金なのです。
ですから体制を大きく変える時には税金をなくすことが不可欠なのです。
今回の政権交替も、その背後には税金が大幅に不足していることがあることはいうまでもありません。
減税を志向する政治と増税を志向する政治は、まったくパラダイムが違うのです。
さらにいえば、そこでの「税金」の意味合いも全く違っているはずです。
こうしたことを考えさせてくれるという意味で、河村市長の言動は示唆に富んでいます。
私たちはもっと彼の言動に関心をもつべきです。
東国原さんのような増税政治の走狗に騙されてはいけません。
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