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2010/04/22

■節子への挽歌963:「で、何を言いたいの」

むすめが、会話していて男性は「で、何を言いたいの」というのが駄目なのだとテレビで話題になっていたと話してくれました。
実はこれは、私が節子によく問いかけた言葉なのです。
そう言うと、節子はいつも怒りました。
結論ではなくて、その経過をきちんと話したいのよ、と。
しかし私は経過などどうでもよくて、結論を早く知りたいタイプなのです。

でも実は、今から考えるとこれはおかしな話です。
最近私が重要視しているのは、結果ではなく経過なのですから。
もしかしたらこれは節子の影響でしょうか。

女性と男性とは話し方のスキームというか、構造が違うのかもしれません。
あるいは、時間の流れ方が違うのかもしれません。
結婚してしばらくしてから、私たちは話し方でよく喧嘩をしました。
スキームや言葉の意味合いが違うために、会話が成り立たないことが少なくなかったからです。
まあ深く考えなければなんでもないのですが、結婚した以上、私は同じ世界を早く創りあげたかったから、私がかなりこだわったのです。
節子は苦労したはずです。
「○○さんから、佐藤さんのような難しいことを言う人と結婚するから苦労するのよ」と言われたわと節子から聞いたこともあります。
私は決して「難しいこと」にこだわったわけではありませんが、大学を卒業したての頃の私はそれなりに理屈っぽく、言葉の使い方こそが心を合わせる最も効果的な方法だと考えていたのです。
それはたぶん正しかったと思います。
時間はかかりましたが、私たちの世界はほぼ完全に重なったのです。

しかし、残念ながら、「で、何を言いたいの」論争はなくなりませんでした。
節子もかなり頑固で、自分の話し方のスキームを変えませんでしたから。
修は人の話を聴かない、と節子はいつも嘆いていました。
もう少しきちんと聴いていればよかったと思います。
私に対する不満は、いろいろとあっただろうなと、今頃になって反省しています。

もし節子がこの挽歌を読んでいたら、きっと「で、何を言いたいの」という記事が少なくないでしょうね。
これもまた、節子が私に乗り移ってしまったからかもしれません。
困ったものです。

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