■節子への挽歌966:「こんなつらい思いは、誰にも味わってほしくない」
節子
節子のことをとても心配してくれていた黒岩さんの新しい本が6月に出版されるそうです。
『古書の森逍遥』です。
黒岩さんでなければ書けない本です。
黒岩さんのブログによれば、220冊の本を取り上げているようです。
そのすべてに、黒岩さんは心を通わせているはずです。
そんなことは黒岩さん以外にできるはずがありません。
黒岩さんほど、本が好きな人も少ないかもしれません。
その黒岩さんの先週のブログです。
自分が病気になると、他の人の健康がとても気にかかる。昨年の秋の出来事。
(中略)
昨年の秋の出来事で、ほんのささいなことで人間は不幸のどん底に陥ってしまう、ということがわかってしまった。
もうこんなつらい思いは、誰にも味わってほしくない。
節子と同じく、突然に病気を宣告されたのです。
黒岩さんのブログを読むのは辛いですが、その文字の後ろに興福寺の阿修羅像が見えるような気がします。
「こんなつらい思いは、誰にも味わってほしくない」
節子もまったく同じ言葉を語っていました。
それを思い出しました。
黒岩さんにも味わってほしくない、と節子は思っていたでしょう。
『古書の森逍遥』はとてもいい装丁の本になりそうです。
不死身だった阿修羅のご加護を、毎朝、節子の前で祈っています。
| 固定リンク
「妻への挽歌05」カテゴリの記事
- ■第1回リンカーンクラブ研究会報告(2021.09.06)
- ■節子への挽歌1000:パッセンジャーズ(2010.05.29)
- ■節子への挽歌999:新緑(2010.05.29)
- ■節子への挽歌998:花の季節(2010.05.27)
- ■節子への挽歌997:「解けない問題」(2010.05.26)
コメント