■節子への挽歌987:枯れてしまったさつき
節子
ジュンが結婚したので、裏庭の花木の水やりの担当が私になりました。
時々忘れてしまうので、いくつが枯れてしまいました。
一番残念だったのは、節子が沖縄から買ってきたブーゲンビリアです。
さつき展で松崎さんからもらった盆栽のさつきも枯れてしまいました。
植物には声をかけながら水をやるといいのですが、我が家は家の周りにさまざまな植物があります。
地植えのものはいいのですが、鉢ものはちょっと手を抜くと元気をなくします。
とても正直なのです。
節子とちがって私の場合は、まだそれぞれの花木との付き合いが浅いので、水加減も必ずしもわかりません。
せっかくの蘭を水のやりすぎで根腐れさせてしまったものもあります。
花木を育てることの大変さが少しわかってきました。
枯れてしまったさつきには少しだけ思い出があります。
節子と一緒に近くでやっていたさつき展に行ったのですが、抽選でさつきをもらえたのです。
その育て主が茨城県の松崎さんといいます。
節子がとても喜んだのをみて、その松崎さんが一度自分の家に来たらもっと大きなさつきをあげるよと言ってくれました。
それでいつか一緒に松崎さんのところを訪問しようということにしていたのです。
節子は楽しみにしていました。
節子は農家の人と話すがとても好きでした。
不思議ですが、私の母も同じように土を扱う人と話すのが好きでした。
ところがその後、節子は病状が悪化して、結局行けずじまいに終わったのです。
枯らせてしまったさつきは、そういうさつきだったのです。
節子が松崎さんから教えてもらったように、針金で細工をしたままのさつきでした。
もっとていねいに水やりをしていたら枯らせることもなかったでしょう。
明日からもう少していねいに水をやろうと思います。
小さな鉢の一つひとつに、節子の思いがこもっているのです。
これ以上、枯らすわけにはいきません。
明日からは朝一番の仕事にしようと思います。
問題は何日つづくかですが。
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