■節子への挽歌974:結界
家の中で飼っていた黒めだかを庭の池に放しました。
昨年はなぜか池のひめだかが全滅してしまいました。
それでしばらく池に放すのを止めていましたが、もう大丈夫でしょう。
黒めだかの3匹を水がめに入れて、玄関の扉の外にも置きました。
これは節子の趣味です。
わが家には塀がありません。
玄関は道路に直接つながっています。
その結界を守るのが3匹の黒めだかなのです。
金魚だと周辺を散策している猫の餌食になることもありますが、めだかは小さいので大丈夫なのです。
結界を封じずに、何かを置く。
これもわが家の文化でした。
しかし残念ながら、今の家に転居して、そういう仕組みをいろいろとつくる前に節子は逝ってしまいました。
彼岸と此岸の結界。
節子より私が先に彼岸に行くと思っていたので、この家には節子と一緒に、その通路を仕組んでおきたかったのですが、それも間に合いませんでした。
でももしかしたら節子が思いを入れて造作していた庭のどこかに、その通路があるかもしれません。
小さな庭なので探すほどのこともないのですが、現世の私には見つけられそうもありません。
ふたりが元気だった時に、もっとしっかりと示し合わせておけばよかったと後悔しています。
彼岸と此岸は、必ずどこかでつながっているはずです。
節子はそれに気づいているでしょうか。
気づいているといいのですが。
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