■競争と評価
友人が仲間と一緒に本を出しました。
「「エクセレントNPO」とは何かー強い市民社会への「良循環」をつくりだす」です。
非営利組織評価基準検討会編となっています。
その検討会の主査が田中弥生さんです。
田中さんとは長い付き合いで、私が信頼する数少ないNPO研究者です。
その本のことを私のホームページ(CWSコモンズ)で紹介させてもらいました。
いささか批判的な紹介です。
本の内容はとても共感できるのですが、タイトルに大きな違和感があったからです。
タイトルには、しかしその本のメッセージと編集意志がしっかりとでます。
そのタイトルを嘉永したための苦い経験が私にもあります。
タイトルのどこに違和感をもったのかは、ホームページに書きました。
読んでもらえるとうれしいのですが、要するに「強い」「エクセレント」の2つの文字への違和感です。
編者が非営利組織評価基準検討会ですから仕方がないのですが、この2つの表現には「量的な相対評価」の発想があります。
私は多文化主義者ですので、一つの尺度で評価する文化にはなじみません。
それは必ず「優劣」につながるからです。
優劣は「競争」を引き起こします。
そして競争は寛容さを失わせます。
とりわけ「強い」という言葉の持つ「暴力性」には最近過度すぎるほどに反応してしまいます。
私自身の心がきっと「弱くなっている」からです。
みんな「競争」は大切だといいます。
そういう人はほとんど例外なく、「敗者をつくる競争」は悪いが、「切磋琢磨しみんなが進歩する競争」は必要だといいます。
私もつい先ごろまではそう思っていましたし、このブログにもそうしたことを書いたような気もします。
しかし最近、果たしてそうだろうかと思い出しています。
「競争」と「評価」
これについて少しこれから考えてみたいと思います。
昨日、早く寝たせいか、少し元気が出てきました。
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