■節子への挽歌986:家庭農園
むすめたちと節子がよく行った、お花屋の岩田園に行きました。
家庭農園を再開することにしたのです。
その苗を買いに行きました。
節子がいなくなってからわが家の農園は荒れ放題です。
それを今年から再開しようと言いだしたのはジュンが結婚した相手の峰行さんです。
彼が目指しているのはハーブですが、どうせなら野菜も再開しようと思います。
もっとも節子のいない状況では、私に持続できるかどうかはわかりません。
仕事面では私が主役、生活面では節子が主役、というのが私たちの生き方だったのです。
前に書いたことがありますが、私は「サブシステンス」という概念が大好きです。
この言葉を知らない頃から私は「サブシステンス」、つまり生命の視点から物事の価値判断をするという思いがありました。
ですから会社時代も、経営計画策定よりも来客にお茶を出す仕事のほうに価値を見出していたのです。
この考えを私にしっかりと定着させてくれたのが節子でした。
理念でしか考えていなかった私を、それこそまさにサブシステンスな生き方に変えてくれたのです。
野菜づくりをやりたいと節子に言ったのは私ですが、実際にそれを可能にしてくれたのは節子です。
「修は口だけだから」といつも良いながら、節子は私がやりたいことを実現させてくれました。
家庭農園もその一つでした。
いまもなお「怠惰で飽きっぽい」性根はなおっていませんが、節子に笑われない程度にやってみようと思います。
今年のお盆には夏野菜を節子に供えようと思います。
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