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2010/06/28

■大相撲の賭博問題への対応

大相撲の賭博問題に関して、日本相撲協会の特別調査委員会の勧告が出されました。
勧告の目的は、たぶん名古屋場所を開催するためのシナリオづくりだったと思いますが、それにしてもいかにも短期間で、短絡的な内容の勧告です。
こうした委員会に関与する人たちの考えがまったく理解できませんが、その内容の「甘さ」に驚きました。
誤解されそうですが、個々の力士への対応は、あまりに厳しすぎると思います。
私が「甘い」と感じたのは、日本相撲協会という団体とそれを支援している関係者に対して「甘い」と感じたのです。
これでは、問題は解決しないでしょう。
要するに、なぜこうしたことが起こったのか、それを「たぶん知りながら見逃してきた」相撲界(広義のです)のあり方が問われるべきです。
新聞社の記者も知らないはずがありません。
そうした人たちも咎められるべきではないかと思います。

いま名前が出てきている力士たちは、私には「被害者」にしか見えません。
なぜそう考えるかに関しては、これまで何回か書いてきています。
組織(社会)が育てる文化が問題なのであって、個人だけを悪者に仕上げる発想は、そろそろ捨てるべきだろうと思います。

それに野球賭博という言葉があるように、それが行われていることはみんな知っていたでしょう。
暴力団が関わっているから悪いのだという人がいるかもしれませんが、暴力団とはそもそも悪い組織なのでしょうか。
もし悪い組織であれば、なぜ取り締まらないのでしょうか。
存続を認めておいて、関わってはいけないというのは、私には理解できません。
それに巻き込まれたのであれば、巻き込まれた人を保護すべきではないでしょうか。

今回の勧告は今の日本社会の本質を示唆しているように思います。
次の問題が顕在化されるのは、何でしょうか。
誰も知っていて、まだ問題にされていない「問題予備候補」は山のようにあります。
私たちは、さまざまに張り巡らされた地雷の上で暮らしているのです。
いつ、私が琴三喜になるかわかりません。
それくらいの「想像力」を持たなければいけないと思うのですが。

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