■大相撲の賭博問題への対応のつづき
昨日のつづきです。
まさかと思っていた方向に、どんどん進んでいるのに改めて驚いています。
問題の本質は摩り替わっているような気がして、しつこくもう一度書きます。
琴光喜をはじめ、野球賭博に関わった力士ばかりが厳罰の対象になるのがどうしても許せません。
一番悪いのは、実行犯ではなくて、実行犯に実行させた人や仕組みではないかというのが、私の全ての基本的な考えです。
もし居酒屋タクシーが悪いのであれば、それを黙認して、どんどんエスカレートさせていた霞が関の官僚たちの共同責任であり、知っていて何も言わなかった人は同類だと書いたことがありますが、ここでも同じ考えです。
いまでこそ野球賭博が悪いとみんな言いますが、1年前はどうでしたでしょうか。
今回、罰せられる人だけが知っていたのでしょうか。
知っていた新聞記者は少なくなかったでしょう。
監督官庁の文科省の役人は誰も知らなかったのでしょうか。
そんなはずはありません。
それらしい話は週刊誌などで何回も出ていたはずです。
テレビでは有名なタレントが、自分も昔やっていたと公言していますが、それも誰も咎めません。
なぜ彼らは許されるのか。
なぜ琴光喜がいじめられるのか。
一番罰せられるべきは相撲協会の現在の役員です。
それを放任していた監督官庁です。
文科省は咎めるだけではなく、自らを正すべきです。
その意識がまったく感じられません。
辞表を出したぐらいで終わる話ではないのです。
相撲協会に関わっていた人のすべてが罪の意識を持つべきです。
身を正すべき人たちが、声高に罪を咎めている姿を見て、呆れてしまいます。
相撲を稼ぎの種にしていた人たちは、すべて無関係ではないでしょう。
あなたたちが作り出してきた文化なのですから。
今の時代、必要なのはそうした「つながりをもった発想」です。
それをトカゲの尻尾切りよろしく、現役の相撲力士だけを罰し、名古屋場所は開催して、彼らを利用して稼いでいる自分たちは何の罪の意識も持たない。
私からの視聴料もまたその放映のために使われる。
やりきれない気分です。
琴光喜に同情します。
この若者の未来を奪ったのはだれなのか。
彼らを利用している人たちには、人の心がないのか、と。
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