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2010/06/02

■鳩山さんの保身と覚悟

鳩山さんが辞任してしまいました。
辞任するほどの覚悟があればできたことはたくさんあったはずです。
しかし多くの人はその覚悟を事前には活かせません。
保身と覚悟は人の本性です。
みんなその狭間で生きていますが、どちらに立脚して生きるかが大切です。
ノブレス・オブレッジとは覚悟を基軸に生きることです。
私は「ノブレス」ではありませんが、覚悟を優先しようとそれなりに心がけています。
私の場合はたいした問題にぶつからないので、鳩山さんほど大変ではありません。
しかし、鳩山さんはどうもノブレス・オブレッジには生きていないようです。
それが残念でした。
鳩山さんにはノブレス・オブレッジを期待していたのです。
ほかの政治家とは違うものを感じていましたから。

それにしても相変わらず首相はどんどんと「浪費」される存在になってきました。
いうまでもなく、私たち国民がそうさせているわけです。
首相や政権を信頼しないのがいまの日本国民です。
政治がそうさせたという見方もあるでしょうが、最大の原因は私たち国民にあるでしょう。
だれも人を信頼しなくなっているのです。
そしてすげ替えられると思っているのです。

10年ほど前の学生対象の調査ですが、注意しないと誰かに利用されると思いますか、という質問に対して8割の人がそう思うと答えたそうです。
恐ろしい数字です。
まあ彼らが子どもの頃、私たち大人は知らない人に声をかけられても答えてはいけないと子どもたちを育ててきました。
ですからこうした状況をつくったのは私たち世代です。
しかし他者を信頼できないで幸せな生活など出来ようはずはありません。

私は娘たちに、社会には悪い泥棒はいない、騙す人などいないと育ててきましたが、効果はありませんでした。
むしろ、お父さんの言うことは信頼できないといわれてしまっていたのです。
大きなジレンマですが、世間の流れに棹差すのは難しいです。

鳩山さんを信頼する人がもう少しいたら、そして政権内部に、あるいは民主党の党員に、鳩山さんを信頼し支える人がもう少しいたら、事態は変わっていたかもしれないと、今もかなり未練がましく思います。

細川政権の二の舞にならなければいいのですが。
野田さんか枝野さんに代表をやってほしいものです。
時代の流れはそう簡単には変わらないということを改めて痛感しました。

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