■利権集団だった民主党の終焉
私は以前から民主党が好きではありませんでした。
したがって応援していた無党派の県会議員が、民主党に入党して以来、応援はやめました。
地方議会に国政の政党を持ち込むのはどうしても違和感があります。
日本の政党は上から作られているからです。
ですからどうしても利権集団になってしまいます。
下から作られる構造であれば、私の考えも反転しますが。
民主党の政策は様々なものが含まれていますが、基本的には自民党と発想が変わらないため、好きにはなれませんでした。
とりわけ小沢さんや前原さんの国家ビジョンは、私の考えの対極にあります。
にもかかわらず、この4年、民主党に投票し続けてきました。
政権交代でともかく状況を打破したいと思ったからです。
それに、この数年の民主党の政策発想は、奇妙に私には賛成できました。
地方分権から地域主権へ。
条件なしの子ども手当て。
消費税論議の前に無駄遣いの徹底追及。
極めつけは、鳩山首相の沖縄基地の県外国外移設でした。
要するにすべては、生活に起点をおいて素直に考えれば行き着く考えです。
しかし、それらが少しずつずれていたことがだんだんわかってきました。
おそらく根幹にあるのが理念が曖昧だったからでしょう。
ちなみに、「新しい公共」は最初から私には違和感がありました。
「公共」という言葉の持つ曖昧さに疑念があるからです。
なぜもっと胸を張って「共」を打ち出さないか。
共は友愛原理に基づいていますが、公は統治原理に基づいているように、私には思えます。
鳩山政権には大きな期待を持ちました。
その政権を実現した小沢さんにも期待を抱いてしまいました。
しかし、どうもその期待は過大すぎたようです。
菅政権にも、まだ期待していました。
しかし、菅政権もまた「選挙」が最優先事項であり、世間の実相を見ていないような気がしてなりません。
政府発足後の動きにはあまりにも驚きが多かったです。
会期延長すると思っていましたが、それもしませんでした。
胸を張って理念を打ち出すと思いましたが、鳩山さんの上からの友愛ではない、生活者からの友愛は微塵も打ち出されませんでした。
民主党政権は終わったように思います。
役割を終えたのです。
沖縄基地問題を国民全体に意識化させたこと、政官癒着を少し顕在化させたこと、何よりも、その気になれば政権は変えられることの意識化、その果たした役割は大きかったように思います。
しかし、役割を終えた民主党は解体に向かうでしょう。
次の選挙からまた私は民主党への投票をやめて、素直に政策姿勢を評価して支持政党を決めようと思います。
少なくとも、自分をしっかりと持っている政党をです。
民主党は政策集団ではなく利権集団だったのです。
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