■節子への挽歌1062:「萌える季節」が壁からなくなってしまいました
節子
オフィスにかけてあった、藤田不美夫さんの版画「萌える季節」を先日うっかり壁から落としてしまい、額のガラスを割ってしまいました。
大きいので、そう簡単に持ち帰れずに、はずしたままになっています。
今日、オフィスで何となくぼんやりしていて、何か雰囲気が違うなと思って、放置していたことに気づきました。
この版画は、節子が気にいって買ってきてくれたものです。
私もとても好きで、壁にその額がかかっているだけでホッとした気分になるのです。
湯島のオフィスには他にもいくつかの小さなものがかかっていますが、そのひとつひとつに思い出があります。
ギリシア関係のものが2つあります。
ひとつはアテネのアクロポリスのスケッチです。
節子とアテネに行った時に買ってきたお土産品なのですが、私たちにはそれなりに愛着のあるものです。
もうひとつはエーゲ海のポロス島を描いたタペストリーです。
ギリシア愛好者でつくったパウサニアス・ジャパンのメンバーが旅行のお土産に買ってきてくれたものです。
ポロス島は私たちも行きましたが、いろんな思い出があります。
もう1枚、小さな額があります。
一時期日本でも人気が高まったことのあるオーストラリアのケン・ドーンのみにポスターです。
とてもユーモラスなもので、私たちの気に入っていたものです。
湯島をオープンした時、いろんな人からインテリをもらいましたが、結局、定着したのはこの4枚でした。
節子がいなくなってしまったので、もう変わることはないでしょう。
そういえば、もう1枚、あります。
ジュンが描いた「ノースモーク」ポスターです。
これを見たある人が、ぜひ自分のオフィスにもこのポスターを張りたいと注文してくれたこともあります。
湯島に一人でいると、それらの絵が話しかけてくるようです。
「萌える季節」をはやくガラスを入れて、掛けなおさなければいけません、
そんなことまで自分でやらなければいけなくなりました。
節子がいないと面倒なことが多いです。
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