■節子への挽歌1037:ジュンの花嫁姿
節子
ジュン夫婦は私たちと同じように、結婚式を挙げませんでした。
その代わりに、お披露目パーティをやったのですが、やはり写真だけは撮ろうということになりました。
それで今日は、ヴィーナスフォートの写真館に両家の家族もそろっての写真撮影に行きました。
ヴィーナスフォートは、開店した頃、家族で来たことがあります。
あの日は、風が強く、モノレールのゆりかもめが止まってしまい、大変でした。
それを思い出しました。
私たちも写真だけは撮りたいという節子の希望で、写真を撮りましたが、その時のことをまったく覚えていません。
節子の両親や親戚の関係で、結局、結婚式はやらざるを得なくなったのですが、当時の私は、世間の常識からかなり外れた考えを持っていました。
今から考えると、節子はよくついてきたものだと思いますが、長い人生の中で、結局、私は節子に逆に影響されて、そうした理念先行の生き方を現実的なものへと変えてきたように思います。
おかげで、とてもカジュアルに、そして自然体に生きられるようになりました。
これは、節子のおかげです。
娘たちが、節子の写真を持ってきてくれました。
ですから写真には節子も入っています。
久しぶりに家族4人の写真を撮りました。
私のデジカメでも何枚か撮ってもらいましたので、もしかしたらそこに、もう一人の節子が写っているかもしれません。
娘の花嫁姿を見ると父親は感激するそうですが、私の場合はやはりまったく感激しませんでした。
やはりどこかおかしいのでしょうか。
しかし、節子にはやはり直接見せたかったと思いました。
なにしろジュンは、節子に見せられなかったのをとても悔やんでいましたので。
ジュンも、節子にどれほど見てもらいたかったか。
ジュンが不憫でなりませんが、節子もまた不憫でなりません。
でも、とてもいい写真が撮れました。
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