■オルテガを思い出しました
参議院選挙の結果が出ました。
民主大敗・自民大勝・みんなの党大躍進でした。
まさか自民がこれほどまで当選するとは思っていませんでしたが、まあ大体予想いていた通りの結果でした。
この結果を知って、思い出したのは、オルテガの「大衆の反逆」です。
1930年に出版された本です。
私は30年近く前に「21世紀は真心の時代」という小論を書きましたが、その書き出しは「1980年代は、再び反乱の時代である」でした。
当時、オルテガの「大衆の反逆」を呼んで、いささか複雑な思いを抱いていました。
オルテガと違い、私は大衆に「信」を置いていましたし、自らもまた大衆の一人だと位置づけていました。
オルテガは大衆をこう定義します。
現代社会の大衆は、その生を制限する自然的、社会的制約が消滅したものと思っている。そして、いかなる意味でも、最終的に服すべき上級の規範の存在を認めない。常に上級の規範に服して、「規律の生」を生きるエリートの指導を拒否する。「21世紀は真心の時代」から30年、さまざまな体験を重ねるうちに、オルテガのメッセージがだいぶ理解できるようになってきました。
今回の選挙結果は、改めてオルテガを思い出させました。
「無知の賢者」が多すぎます。
もうひとつ思い出したのは、イソップの「かえるの王様」です。
予想はしていましたが、気分の重い朝です。
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