■節子への挽歌1040:夜中の胃痛
節子
昨夜は大変でした。
夜中に胃が痛くなって、目が覚めました。
前にも何回かありましたので、心配はないのですが、痛くて眠れません。
こういう時、一人なのが一番困ります。
節子がいたら、夫婦は、それぞれの痛みを分かち合わなければいけないと無理やり起こすのですが、それができないので、一人で耐えなければいけません。
痛みはシェアすれば、それだけで消えることもありますが、一人で抱えていると増幅するという、おかしな性質を持っています。
昨夜は胃痛でしたので、心細さはありませんでしたが、
もっと大きな障害が生じたらどうでしょうか。
気弱な私としては耐えられるでしょうか。
夜の暗闇の中で一人、問題に対峙するのは、あまり楽しいことではありません。
私はいささか「夫婦で生きる」生き方に埋没してしまっていたようです。
したがって、どうも「一人で生きる」ことに、なかなか慣れないのです。
節子が最期まで心配していたのは、そのことでした。
結婚しても、お互いの世界をしっかり持って、それぞれに生きながら、2人でも生きている夫婦がいます。
そういう生き方が、私にはできませんでした。
それに、それを望みませんでした。
節子と私と、どちらが自分の独自の世界を持っていたかといえば、節子です。
節子は、私がいなくても、しっかりと一人で生きることのできる人でした。
その節子が先に生き、一人では頼りない私が残された。
どう考えても、理屈に合いません。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか眠れてしまいました。
そして、目覚めたら胃痛はおさまっていました。
節子が治してくれたのでしょうか。
昨日とは違い、今日はとてもさわやかな日です。
節子の好きなアジサイがきれいに咲きだしています。
梅雨の中休みのようです。
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