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2010/08/10

■コモンズを荒らした犯人

韓国にいる佐々木さんからのメールに次のような話がありました。

中国の内蒙古へ行った時聞いた話しです(もう10年以上になりますが)。
遊牧民は2ヘクタールだかの土地を貰い、遊牧しながら生活できるような政策で優遇されていたとか。
ところが電気が入り、ラヂオが入るようになると、現金収入が必要となり、放牧の羊を増やすようになります。
テレビを入れたい、冷蔵庫もとなると、更に羊を増やすようになります。
そうすると、放牧のために循環していた草地から、羊の数が多くなり、草が生えなくなっていきます。
生活が元に戻らなくなって、町に働きに出るようになり、オートバイが必要となり、奥さんまで外で働かなくてはいけなくなってしまいます。
物質は、いろいろ揃っても、それまでの家族や近隣の関係はドンドン失われていくと。
読んでいて、コモンズの悲劇を思い出しました。
前にも書きましたが、コモンズの悲劇とは「誰でも自由に利用できる共有資源は乱獲によって枯渇してしまう」という話です。
内蒙古の話は、なにがコモンズの悲劇を起こしたかを教えてくれます。

羊の数を増やしたらその世話が大変でしょうが、なぜか現代のほとんどの人は羊の数を増やそうとします。
羊の数を増やすことは、経済成長ですが、なぜかみんな経済成長を望みます。
しかし、それは決して「人間の性(さが)」ではないと私は確信しています。
その習癖を植えつけた犯人は、なんと「電気」だったのです。
いいかえれば電化生活への憧れです。
それを実現するために、羊を増やし、町にまで働きに行かねばならなくなった。
やはりどこかおかしいです。

最近、暑いのでオフィスに行くのも億劫です。
わが家のチビ太(犬です)は、暑いのか日中は横たわって寝てばかりです。
チビ太のように無為に過ごすのと、何かしていないと罪悪感を持ってしまう私と、どちらが豊かなのかはわかりませんが、少なくとも最近の私たちの価値観を根本から問い直す必要があるような気がします。

チビ太を真似て、明日は怠惰に寝ていたい気もしますが、オフィスでいくつかの用件があります。
行かないと関係者に迷惑をかけます。
でも本当でしょうか。
私が行かないといけないと思っているのは私だけかもしれません。

佐々木さん
すみません。
もっと本質的な啓示を受けたつもりが、書いているうちにわけがわからなくなってしまいました。
チビ太を出したのが敗因ですね。
チビ太は、昔の遊牧民よりも幸せかもしれません。
涼しくなると吠え出して、散歩に連れて行けと要求します。
いま吠え出しました。
電化生活よりも豊かな生活かもしれません。

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