■節子への挽歌1097:3回目の命日
節子
3回目の命日はずっと自宅で過ごしました。
いろいろな人が来てくれたこともあって、お墓には行けませんでした。
この日は、毎年、節子は花で囲まれます。
ユリとバラが好きなことを知っている人が多く、わが家はこの時期、ユリとバラのにおいが充満します。
それにしても節子は花に恵まれた人ですね。
私にはこんなことは絶対に起こらないでしょう。
いつもそう思いながら、花を見ています。
3回目の命日は思わぬ訪問客もありました。
先日から書いているヒヨドリです。
巣立ったヒヨドリが2羽、ずっと窓の外の木にとまっていました。
鳥になって帰ってきた節子なのかどうか、悩ましい問題ですが、まあこれは吉兆と考えましょう。
思わぬ訪問客といえば、夕方、宮部さんと小山石さんが、仕事の合間をぬって来てくれました。
節子は小山石さんのことは覚えているでしょう。
湯島をオープンした時に、小山石さんはたくさんの種類の紅茶を持ってきてくれました。
その印象が強くて、節子は小山石さんのことを時々話していましたから。
それにしても、命日を覚えてくれていることには感謝しなければいけません。
私などは自分の両親の命日さえ忘れることがあります。
親しい友の命日も忘れてしまっています。
節子の命日だけを覚えている自分の身勝手さが恥ずかしいですが、そうだからこそ、この日を覚えていてくださる人への驚きがあるのです。
「記念日」という発想がまったくない私が、唯一、意識し始めた日が今日でしたが、果たしていつまで覚えていられるでしょうか。
とても平安で、のんびりした、無為な命日でした。
お経は、私の般若心経だけです。
今朝まで意識不明に近かったチビ太も少し元気になりました。
たくさんの花がエネルギーを与えてくれたのかもしれません。
私は例によって、異常に疲れた気がします。
節子との距離を短くすると、いつもなぜか異常な疲れが残るのです。
4回目の命日、つまり来年の命日は旅に出てみるのもいいかもしれないと思っています。
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