■タクシー運転手の話はいつも考えさせられます
昨夜、久しぶりに都心からタクシーで帰宅しました。
車中、運転手からいろいろと話を聞かせてもらいました。
彼は4年ほど前まで大手のタクシー会社にいましたが、いまは個人タクシーです。
彼が言うには、もし会社に残っていたらもうやっていられなくなっただろうと言います。
水揚げが激減しているからです。
彼の奥さんが、いまもタクシー会社所属の運転手なのでよくわかっているようです。
おかしくなってきたのは、タクシー業界の規制緩和の頃からのようです。
そういう話は地方でタクシーに乗ってもよく聴く話です。
彼の今の収入は、月額70万円前後だそうです。
しかし、そこから半分はガソリン代や自動車維持費、駐車場代などにとられるそうです。
年金は年間で60万円、毎月月末には支払いに追われている感じだといいます。
土日は走りませんが、平日は夕方から明け方の3時くらいまで仕事をしているそうです。
それでも1日で3万円、よくて4万円だといいます。
土日休むのは効率が悪いこともありますが、身体が持たないからだそうです。
都内で個人タクシーの仕事をするためには都内に住居がなければいけません。
その家賃と駐車場料金がつき7万円、部屋は1LDK。そこで平日は宿泊です。
自宅は埼玉で、母親と同居しています。
奥さんは会社所属のタクシー運転手なので毎日自宅に帰りますが、週末以外はそれぞれが別居で、「さびしいもんですよ」と彼はいいます。
こんなに一生懸命仕事をしているのに、夫婦で旅行にもいけないと言っていました。
やはり今の日本はおかしいと思います。
実は昨日は埼玉の滑川町でもタクシーに乗りました。
その運転手の話も考えさせられる話が多かったです。
私の思いのほとんどは、こうした現場での生活の話から構築されることが少なくありません。
現場にこそ知がある、というのが私の考えなのです。
政策を考える人も専門家も、もっともっと現場に触れて欲しいです。
| 固定リンク
「社会時評」カテゴリの記事
- ■嘘を前提にして議論する社会(2019.12.04)
- ■「守る」ことは大切ですが、そこからは何も生まれてきません(2019.11.12)
- ■「怒らなくなったら人間は堕落します」(2019.11.05)
- ■「都合のいい現実」が作られる非情報化社会(2019.10.31)
- ■さんまの内臓はやはり私には向いていません(2019.10.31)
コメント