■若者に働く魅力を提供できない社会
最近、大学生がよく湯島に来ます。
そこで就職の話がよく出ます。
聴いていて不安になります。
いまの社会は、若者に働く魅力を提供できていないようです。
先日来た学生たちは、みんな既に就職先が決まっている幸運な学生でした。
しかし彼らはみんな不安を抱いていました。
会社に入って元気を失う先輩が多いようです。
それを見ていれば不安が高まるのは当然です。
私のブログを読んで突然やってきた学生は、
友人たちで就職先が決まっているのは少ないし、諦めた友人も多いと言うのです。
諦めてどうするかといえば、留年や仲間との起業、もしくは専門職目指しての専門学校などへの再入学です。
もっとひどい話もありますが、さすがにここには書けません。
先日、人事部長たちがメンバーに多い、ある委員会で、若者と企業が話題になりました。
そこで、私は次のような発言をさせてもらいました。
大学では企業の中身をきちんと学生に伝えられないまま就職指導をしていること。
企業は採用コストを削減しているために、学生をよく見極めずに採用していること。
そのため、企業に入った後にミスマッチが判明して、双方にとって不幸な結果が増えていること。
こうした問題を解決するには、いろいろと方策はありますが、大学と企業とが一緒になって、ミスマッチを極力少なくし、仮に起こってもそれを良い方向に転ずる社会的な仕組みをつくる必要があると思います。
私の認識では、個別企業が人材を採る時代は終わりました。
社会全体で、つまり企業も大学も一緒になって、若者の働き場を増やし、ミスマッチが起こらないような仕組みづくりに取り組むべき時期です。
それは同時に大学の新しいミッションを創りだすことにもつながるでしょうし、労働流動化のマイナス面を正していく契機になるかもしれません。
いずれにしろ、若者にワクワクするような働きの場を用意できない社会には、未来は開けていかないような気がします。
その状況を変えていくために、何ができるか。
私はささやかながら毎日そういうことに取り組んでいるつもりです。
まだ成功していないのが心苦しいですが。
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