■三川内焼きを元気にしたい
ホームページに書きましたが、先週、NHKテレビで「三川内焼き」の紹介がありました。
視聴者の投稿をもとに創られた「こんなステキなにっぽん」という番組です。
長崎にお住まいの吉谷さんという方の投稿で、その番組は創られました。
古谷さんの思いも、そこで語られていました。
その吉谷さんから、突然メールが届きました。
挽歌編に書いた「三川内焼き」の記事が吉谷さんの目に留まったのです。
メールのやりとりを通して、吉谷さんの三川内焼きへの思い入れの深さを知りました。
吉谷さんが感じている三川内焼きの状況は、私が関わっていた20年前とあまり変わっていないように思います。
吉谷さんは「三川内には今の日本が失いつつあるモノづくりへの高いこだわりが残っている」といいますが、同時に、「産業としての窯は衰退の一途」とも感じています。
おそらくこうしたことが、三川内焼きだけでなく、日本のいたるところで起こっていることではないかと思います。
それは、「文化と産業」の不整合によるものなのかもしれません。
そもそも文化と産業は、同じところから生まれてくるはずのものですが、どうやら昨今の日本の産業は、文化や生活を壊すほどの存在になってきているようです。
吉谷さんは、三川内焼きに元気を取り戻して欲しいと思っています。
そのための構想までメールで書いてきてくれました。
とても共感できます。
そこにこんな主旨のことが書かれています。
各地の有名デパートなどでの催しでは三川内焼きの凄さは伝わっても、日常食器として考えるとなかなか消費者の購買意欲にはつながらない。
ところが、三川内の現地に赴き、その環境のなかでじっくり一つひとつの作品を目にすると、何かひとつ2000~3000円のものでも買って帰ろうかな!という気分にさせてくれる。
そして、使い勝手のよい器ですから一度使うとその見栄えと使い心地の良さに多くのリピーターを獲得できると思います。
作り手の顔が見え、納得して手に入れる行為は、「モノを大切にする」いう事をも学ぶことになります。
とても考えさせられる話です。
モノづくりにこだわる職人がいる。
それにほれ込んだ使い手がいる。
それをベースにした「産業」のあり方を考えることは、これからの経済のあり方を考える上での大きなヒントがあるような気がします。
まだ古谷さんへの返事は書けていませんが、何ができるかを考えたいと思います。
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