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2010/10/17

■法人税減税とアンチビジネス論

法人税を減税しないと日本の企業は競争力を失って、日本の経済はダメになるという議論が通説になっていす。
私にとっては、一昔前の経済学(生活のためではなく産業のための経済学)の発想だと思いますが、それは別にしても、最低賃金の上昇も中小企業をだめにするなどということまでがもっともらしく語られていることにはいささかの怒りを感じます。
そういう発想をしていったら、所詮は人間はいらない仕組みになるでしょう。
何のための経済か、と言うことになります。

法人税を下げ、労働分配率を下げなければ成り立たないような企業は、いったい誰のための企業制度かです。
それでは出資者のための企業制度でしかありません。
その仕組みそのものがいま問われているのです。
フェアトレード論がまことしやかに語られていますが、こんな発想で企業を考えている人のフェアトレード論は所詮は金儲けのための手段でしかないでしょう。
どこか狂っているとしか言いようがありません。

ではどうするか。
私たちの生き方も含めて、発想を変えなければいけません。
私は年収200万円程度ですが、とても豊かに暮らしています。
もちろんだれでもが200万円で暮らせるわけではありません。
しかし逆に年収数十万円でも私より豊かに蒸らしている人たちも知っています。
お金の多寡は決して豊かさの唯一の尺度ではないのです。

発想の出発点を変えてみると、まったく違った経済や豊かさが見えてきます。
それにもとづいて、働く場の仕組みや企業のあり方、あるいはセイフティネットを考えてみる時期に来ているように思います。

いずれにしろ、いま世間にはびこっている経済の常識や通説の呪縛から自由になることが大切です。
そうすればきっとそれぞれの人にとっての生き方が見つかるはずです。
そして新しい経済の仕組みや産業のあり方が見えてくるだろうと思います。
その視点で考えると、環境問題も福祉問題もまったく違って見えてきます。

法人税減税はこれまでの経済の矛盾を拡大するだけで、なんの解決にもならないような気がします。

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