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2010/11/02

■知らせることの効用

尖閣諸島での中国漁船衝突事件の映像は、故意に衝突してきた模様がはっきりと記録されているようです。
自分で見たわけではないですが、テレビでの克明な報道によれば、そうのようです。
事実を最初にしっかりと共有するということの大切さを改めて感じます。
もし最初の時点で全世界に、その映像を流していたら、どうなっていたでしょうか。

中国の今の状況は、どうもそうした話とは次元が異なるようですが、それにしてもやはり事実を隠す政治はそろそろ見直すべきです。
中学校の頃、社会科で「知る権利」と言うのを知りました。
それがあまりにも印象的で、その後の私に生き方に大きな影響を与えています。
「知る権利」が基本になる社会は、たぶん安定して生き生きしているでしょう。

事実を知らせることの意味は、政治だけではありません。
経済もそうです。
そろそろすべてを公開してのビジネスのあり方が考えられるべき時期だろうと思います。
情報格差を背景にしたビジネスから抜け出さないといけません。
情報社会とは情報共有されたなかで生きることだろうと思っています。
情報格差を力にするか、情報共有を力にするかで、産業のあり方は全く違ってきます。

もっとも現実の情報社会は、情報格差を広げこそすれ、狭めてはいません。
情報は存在するものではなく、主体によって創りだされるものですから、同じ情報の海の中にいても、情報格差は生じます。
つまり情報格差とは極めて主観的なものなのです。
しかし、だからこそ、存在する情報は公開していくのがいいと思います。
同じ情報からでも考えることは違いますから、その情報に触れた人の数だけ、その情報は豊かな意味を持ってくるのです。

連日、国会の議論が放映されています。
在宅の時はできるだけ見ていますが、どうも情報が共有されていないばかりか、情報探りあい合戦のようで、創造的な議論にはなっていません。
なぜもっとみんな「知らせることの効用」に気づかないのでしょうか。
きっとなにか「魂胆」があるのでしょう。
私心があると「知ること」も「知らせること」も、なぜか力を失うものです。

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