■節子への挽歌1162:祈りとは、ふたつの世をつなぐもの
節子
今日は小倉美恵子さんがプロデュースした映画「うつし世の静寂(しじま)に」を観にいってきました。
久しぶりに小倉さんともお会いしました。
お元気そうでした。
この映画は、小倉さんが住んでいる川崎市の土橋の地域に、いまも残っている講や神事などのドキュメンタリーです。
川崎という、まさに都会のど真ん中に、いまなおこうした講がしっかりと営まれていることに驚きを感じました。
たくさんの示唆と問題提起を含んだ映画です。
この映画のことは、時評編でまた紹介したいと思います。
映画には、その地域に長く住んでいる人たちの暮らしがていねいに描かれていました。
その風景が、節子の出身地である、滋賀県の高月で私自身が体験した風景にどこか似ているような気がしました。
似ているといっても、講や神事のことではありません。
なんとなく雰囲気が似ているということなのです。
おそらく40年ほど前までは、こうした風景が日本全国にあったのでしょう。
子ども時代も東京だった私には、残念ながらそうした体験はありませんが、
なぜかとても深い懐かしさを感じながら観ていました。
節子が子どもの頃を思い出して、私にたくさんのことを教えてくれていたのかもしれません。
それはそれとして、「うつし世の静寂(しじま)に」とは、実に心に響く言葉です。
パンフレットには、こう書かれていました。
うつし世は「現世」、
常世は「来世」。
ふたつの世を「素朴な祈り」で
つないできた暮らしが
今、静かに語りかける。
祈りとは、ふたつの世をつなぐもの。
1時間半の映画を、節子と一緒に堪能したような気分です。
この映画は11月19日まで渋谷のユーロスペースで、その後12月3日まで横浜のシネマ・ジャック&ペティで上映しています。
| 固定リンク
「妻への挽歌06」カテゴリの記事
- ■第1回リンカーンクラブ研究会報告(2021.09.06)
- ■節子への挽歌1200:節子がいない不幸(2010.12.15)
- ■節子への挽歌1199:柳原和子さんに何かあったのでしょうか(2010.12.14)
- ■節子への挽歌1198:私の仕事好きが節子は不満でした(2010.12.13)
- ■節子への挽歌1197:解けない難問(2010.12.12)
コメント