■節子への挽歌1201:夫婦はお互いに弱みを見せられる唯一の関係
節子
あなたは覚えていないでしょうが、10年ほど前の一時期、オープンサロンに来ていた星さんから先日、突然の電話をもらいました。
最初は、どの星さんか思い出せなかったのですが、話しているうちに思い出しました。
たしか栃木で起業した方でした。
その星さんが昨日、湯島に来ました。
お訊きしたら、なんと那須塩原から来てくださったそうです。
栃木といっても広いです。
当時のサロンは、実にさまざまな人たちが来ていたので、星さんとゆっくり話したことがなかったかと思います。
今回、いろいろと話してみて、星さんと私の考えがかなり似ていることに気づきました。
もっとも行動面では全くといっていいほど違うかもしれません。
星さんは企業を辞めて、那須塩原にご夫婦で移ったのですが、その大きな理由は「生き方」の問い直しにあったようです。
ところが気がついてみたら、それまでの東京住まいと同じような働き方をしていたことに最近気づいたのです。
そして私のところに「生き方さがし」の旅に来たというわけです。
いろいろと話しました。
星さんも思うところがあったようです。
ところで話のなかで、夫婦の関係が話題になりました。
星さんご夫妻はお2人ともそれぞれの仕事をしているようです。
それぞれが独立しているわけです。
あまり書いてしまうと星さんのプライバシーに関わりそうですが、いまはちょっと星さんのほうが苦戦しているようです。
しかし奥さんの助けは借りたくないと、考えているようです。
夫婦はお互いに弱みを見せられる唯一の関係ではないかと、私は思っています。
弱みは素直に解き放し、それを素直に受け容れれば、両者の間では、多くの場合、弱みは弱みでなくなり、むしろ強みに転化します。
節子との40年の夫婦関係で、そのことを私は実感しています。
そして、弱みを分かち合った夫婦は最強の存在になれます。
そして怖いものなど何もなくなるのです。
いや「がん」を除いて、というべきかもしれませんが。
そんな思いで、星さんといろいろと生き方も含めて話し合いました。
別れ際に、星さんにまた機会があったら来てくださいといったら、星さんが、今度は妻も連れてきたいです、と言いました。
その言葉で、涙が出そうになりました。
星さんは幸せな人です。そう思いました。
私は、那須塩原に節子を連れていけないのが、とても不公平な気がしました。
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