■諫早湾排水門がようやく開くようです
諫早湾の排水門の5年間の開門を命じた福岡高裁判決について、菅首相は上告を断念する方針を固めたようです。
これにより判決が確定すれば、常時開門となる方向のようです。
はじめて菅さんは自分の考えを打ち出したようです。
手元に『市民による諫早開拓「時のアクセス」』という報告書があります。
諫早干潟緊急救済東京事務所が2001年4月に発表したものです。
友人がその活動に関わっていたので、読ませてもらいました。
調査に当たったのはボランティアメンバーです。
みんな明確な目的意識を持って、自腹で活動に参加していたときいています。
こうした人たちにで、私たちの生活は支えられているのです。
厚い報告書ですが、わかりやすく説得力もあります。
最後に有明海の再生シナリオが書かれていますが、それらの立案計画は、「情報公開の原則のもと、市民・農民・漁民を含む幅広い「円卓会議」において検討し、文字通りの「市民参画による有明海再生シナリオ」に仕上げることが提言されています。
残念ながらその後の諫早開拓はそういう方向には動かなかったように思います。
当時、私には長崎県の職員として、この問題にも関わっていた友人がいました。
彼ともこの問題について意見交換したことがありますが、残念ながら話せば話すほど亀裂が生じそうでしたので、話すのをやめてしまいました。
理をとるか情をとるか、この時には情をとってしまったのです。
その理由は、自分の目で諫早湾を見ていなかったからですが、いささか悔いが残っています。
どう考えても、諫早湾の排水門は愚挙以外の何ものでもありません。
お金儲けのために政治家と官僚と経済人が仕組んだことなのです。
残念ながらこうしたことは、今なお至るところで行われています。
財界の人たちは現場を知らない人ばかりですから、ただただお金が動けばいいのです。
経済の活性化が人々の生活を豊かにするなどという妄想を信じている人はいないと思いますが、そういう妄想を信じさせようという人ばかりなのです。
漁民は喜び、農民は反発する。
こういう対立構造をつくれば、政治家も財界人も、もちろん公務員も、仕事が増え、お金が入ってくるのです。
もちろんマスコミも、です。
この構造を壊さなければいけません。
その壊し方が、残念ながら私にはわかりません。
しかし、まあ諫早湾が少し元気になっていく展望が開けたことで、私は久しぶりに元気が戻ってきました。
書けずにいた時評を再開できそうです。
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