■節子への挽歌1215:意識は変わらないのに表象は変わっていきます
節子
今年もあと2日です。
この1年、実にいろいろなことがありましたが、娘たちも含めて、なんとかそれぞれの生活を取り戻しつつあるように思います。
おそらくこの挽歌も、年初と年末では雰囲気がかなり変わっていると思います。
一昨日の集まりで、20代の若者から、「佐藤さんはいつも夢があって幸せそうです」と言われました。
悲しみによどんでいた1年前に比べれば大きな変化です。
この挽歌の読者からも、あたたかい、あるいは辛らつな、メールをもらいました。
以下無断転載です。
1年間無料で、妻への挽歌購読させていただき、有難うございました。この方も愛する伴侶を見送りました。
頼りなさそうにとぼとぼ歩いているかと思うと、気力を振り絞って無謀な時間破産なとのたまったり。はちゃめちゃながら、その破天荒ぶりを支えていた方を、懐かしく偲んだり。心の中を吹き荒れる嵐を、じつと耐えたり、枯野に晒したり、ワンワン泣いたり、苦い酒を飲んだり(佐藤さんが下戸なのは幸いです)。
そんな佐藤さんを読者は暖かく見守っているのです。
めんどくせえ奴だ、めそめそしやがって!独りよがりなだけじゃないか、おめえだけがヒーローかよ!
ケドョおめえはえれえよ、裸になることを、恥ずかしく思っていないんだもの。自虐さは相変わらずだけど、時間が薬です。
痛みすら懐かしく思える、時が来るのではないでしょうか。
私はまだ痛みは痛みで、その痛みで眠れない時さえあります。答えも、開放する術も、ごまんとあったとしても、今の状況が案外楽なのかもしれません。
来年は佐藤さんにお会いしてもいいかなと、思っています。
この文章は、私と自分とがかなり入り混じっている気がしますが、この方も私と同じく、きっと1年前とは変わってきています。
意識ではまったく何も変わっていないのに、表象では変わっていく。
「私は、私と環境である」といったオルテガを思い出します。
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