■国家財政赤字の解消法
昨年末のサロンで日本の国の借金が話題になりました。
850兆円を超えるといわれる国家の借金の意味が私にはどうも理解できません。
みんな大変だといいますが、どうもピンとこないのです。
一方で、日本の個人金融資産は1400兆円を超えています。
その多くは、富裕層が蓄財しているもので、おそらく流動性を失った資産でしょう。
ある本によれば、1億円以上持つ個人が世界中に950万人いて、そのうちの6人に1人、150万人が日本人だそうです。
最近の日本の経済の仕組みは、富裕層にお金がたまるようになっています。
日本では経済が好況になっても、まじめに働いている人にはお金は回ってきません。
それが証拠に、この数年、経済格差は広がる一方です。
法人税の減税などにより、その傾向はますます強まります。
消費税増税も、そうした傾向を加速させるでしょう。
日本の財界は、人間から生き血を吸うほどの強欲な経済人で占められだしていますから、その流れはなかなか変わりません。
そういう状況の中で、日本の富裕層の不労所得はどんどん増えているわけです。
国家金はいったいだれからお金を借りているのでしょうか。
国債ももっていない私は国にお金は貸していませんが、僅かばかりの銀行預金の一部が国に貸し出されているかもしれません。
先に述べた1億円以上の資産をもつ人たちの金融資産は400兆円だとも言われています。
日本の場合、国の借金の債権者の多くは国内にいるようです。
だとしたら、そうした国家の仕組みの中で蓄財した、特に使う当てもない人の持つ債権を放棄してもらったらどうでしょうか。
そもそもお金は使うところに本来の意味がありました。
使うことをサボっている人の資産はなくなっても困らないでしょう。
むしろ資産管理などに余計な気を使わないですみますから、感謝されるかもしれません。
めちゃくちゃな理屈のように思えるかもしれませんが、私にはとても納得できる発想です。
花見酒の落語をご存知の方も多いと思いますが、最近の日本の財政赤字は、それとどこか似ているような気がするのです。
それに、たかが人間が考えた取引決済手段の問題なのですから、ルールをちょっと変えればいいだけの話です。
実体経済よりも帳簿上の経済が幅を利かせているような、本末転倒の状況は変えなければいけません。
あまりに私が経済に無知なのでしょうか。
借金時計で危機感をあおる人もいますが、借金を放置することで不労所得を儲けさせている状況にこそ、目を向けさせるべきでしょう。
借金時計のまやかしに騙されて、その手先になってはいけません。
誤解があるといけませんが、私は借金を肯定しているのではありません。
借金は基本的に反対の立場です。
預金や蓄財にも、あまり良い評価は持っていません。
お金は使うためにあるのであって、貯めるためにあるのではないという考えの持ち主です。
私が問題にしているのは、借金漬けにしておくことで、そして借金の危機感をあおることで、ますます不労所得が増大する人がいることなのです。
そして、その仕組みによって、不労所得を増やす人たちに、その不労所得の一部を放出してもらったらいいのではないかということです。
国家財政赤字の利子の額の大きさには驚きます。
数字の裏づけがありませんが、その気になれば解決策はおそらくそう難しくなく設計できるように思います。
| 固定リンク
「経済時評」カテゴリの記事
- ■資本主義社会の次の社会(2023.10.10)
- ■「資本主義の次に来る世界」(2023.07.24)
- ■「ペットボトル水現象は現代のチューリップ・バブル」(2023.07.06)
- ■読書の3冊目は「マルクス」(2023.03.28)
- ■ドラマ「ガラパゴス」を観て心が揺さぶられました(2023.02.15)
コメント