■節子への挽歌1237:音楽の力
節子
前に書いた「スロバキア国立オペラ公演」に行ってきました。
オペラ嫌いが行きたくない理由だと書きましたが、実はもっと大きな理由があったのです。
それは書かないでおこうと思っていましたが、書くことにします。
高橋さんに会ったら、なんだか気持ちが落ち着きました。
心の扉は少しずつ開いていかなくてはいけません。
実はこれまでにもコンサートなどを何回か誘われたことがあります。
理由をつけて、あるいは理由なしにお断りしてきました。
理由は行けなかったのです。
節子とのさまざまな記憶からどうしても解放されないからです。
演奏を聴く勇気が持てなかったからです。
節子はコンサートが大好きでしたから。
ですから、今回、なにやら「勢い」で行くことにしてしまったのですが、行く直前まで気が重かったのです。
しかし行ってとてもよかったです。
たくさんの人にも会えましたし。
高橋さんも元気でした。
公演もすばらしいものでした。
小ホールで舞台との距離感もあまりなかったこともあるでしょうが、心身が演者たちと同調するような気がしました。
後半はオペレッタやミュージカルの曲を歌って聴かせてくれました。
聴きなれた曲もありました。
そしてわれながら驚いたのですが、最後に近づいた頃には、曲に合わせて心身が動き出していたのです。
最後は一緒に歌いたい気分でした。
まるで節子が乗り移っているようです。
アンコールの最後に歌われたのが、「Time to say goodbye」でした。
なぜこの曲が選ばれたのでしょうか。
心に響き過ぎました。
それもあったのかもしれませんが、最後に高橋さんと話しているうちに、何かが解けたようです。
高橋さんに感謝しなければいけません。
やはり動き出すと何かが変わります。
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