« ■節子への挽歌1255:節子宛の手紙 | トップページ | ■節子への挽歌1256:突然の不安感 »

2011/02/08

■「税引き後利益が過去最高」ですって?

「家電量販店大手5社の2010年4~12月期連結決算が8日出そろい、全社で経常利益と税引き後利益が過去最高となった」と新聞に出ていました。
家電エコポイント効果がかなり効いているようです。
私は、エコポイント政策には違和感を持っている人間ですが(要するに消費を加速するだけの税金の企業還元政策だと思うからです)、この大変な時期に、「税引き後利益が過去最高」などと聞くと、とてもおかしな気持ちになります。
そんなに利益を上げるんだったら、下請け業者に少しは利益を回してほしいですし、社員の時給アップや職場確保もしてほしいものです。

同じ新聞に、こんな記事もあります。
「民間調査会社の帝国データバンクが8日発表した1月の全国企業倒産集計(負債額1000万円以上)によると、倒産件数は前年同月比2・8%増の976件で、1年5か月ぶりに前年同月を上回った。」
私もいちおう零細な個人企業主ですが、実質的には倒産状態で、政府の企業支援策の対象にしてほしいのですが、その申請方法もわからないので、この数年、無給状態を続けています。
まあ、それは経営者としての私の能力と意欲の不足の結果なのですが、がんばっていても経営を持続できない中小企業も少なくないのです。

個人まで降りてくると、もっと状況は悪いです。
私は、自殺のない社会づくりネットワークに事務所を提供している関係で、その活動にもささやかに関わっていますが、時々、そこにまで電話がかかってきます。
私の周りには、年収200万円にも達しない、真面目な若者も少なくありません。

日本の社会は、まだまだ「大きいところにお金が集まる仕組み」のようです。
しかし、同時に、そこには「不幸」も集まっているのではないかと少し心配です。
不幸を担うのは、いつも人間だからです。
過去最高の税引き後利益は、企業減税でさらに増えていくわけですが、その利益を使う能力のある人はいるのでしょうか。
私にくれたら、うまく使ってやるのですが。
いや、お金がたくさん集まるときっとそんなことなどできなくなるのでしょうね。

あうことでかなりのお金が手に入った私の友人がこういいました。
「お金はあっという間になくなるものだ」と。
実際に、彼の、その大枚のお金は、もうどこかに行ってしまったようです。
せめて1000万円でも私にくれていたら、私ももう少し生活が楽になったのですが。
いや、反対かもしれませんね。

|

« ■節子への挽歌1255:節子宛の手紙 | トップページ | ■節子への挽歌1256:突然の不安感 »

経済時評」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■「税引き後利益が過去最高」ですって?:

« ■節子への挽歌1255:節子宛の手紙 | トップページ | ■節子への挽歌1256:突然の不安感 »