■変えてはいけない信条
IBMを飛躍的に発展させたトーマス・ワトソン Jr.は企業の成功の鍵として次の3つをあげています。
①しっかりした信条を持つこと
②その信条を確実に守ること
③信条以外の全ては常に変えていく姿勢を持つこと
日本IBMの人に、「もし信条を変えなければならなくなったらどうするのですか」という意地の悪い質問をしたら、「その時はIBMが終わる時です」という答がかえってきたまし。
もっとも、昨今のIBMは、その変えてはいけない信条を変えてしまったような気がします。
民主党の比例代表選出の衆院議員16人が、党執行部が決めた小沢氏処分の方針に反発し、衆院の民主党会派からの離脱を表明しました。
菅政権がマニフェストの見直しを検討していることに対し「今の民主党は自分たちが考える党とは全く違う党になっている」と主張しています。
党執行部は、規則上、離脱はできないと言っているようですが、人を縛る組織の恐ろしさを感じます。
なぜきちんと対話できないのか、岡田幹事長の発言を聞いていると、亀井さんが話したという「連合赤軍」を思い出すのもわかるような気がします。
私も、今の民主党は選挙で国民が支持した民主党とは似て非なるもののような気がします。
ですから小沢さんや今回の会派離脱グループに共感をもてます。
もっとも国民の多くは、そうした変質した民主党を支持しているようですが、マルチチュードは御しがたい存在です。
人にも、組織にも、変えてはいけない信条があります。
民主党にとって、その信条とはなんだったのか。
沖縄基地問題にしろ子ども手当てにしろ、ダム建設にしろ消費税にしろ、高速道路料金にしろ、私が思っていた民主党の信条はすべて変わってしまったように思います。
にもかかわらず、政権政党として存在する民主党の大義はどこに所在するのでしょうか。
元祖民主党が生まれてほしいものですが、それは難しいでしょう。
そこにこそ問題の本質がありそうです。
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