■節子への挽歌1255:節子宛の手紙
節子
また節子に手紙が届きました。
今度、地元から県会議員に立候補される方からです。
信書の秘密に反しますが、開封させてもらいました。
節子がこの人を以前支持していたことを知っていますが、前回の選挙でその人は落選していました。
代わって当選した人も、私たちの知っている人でした。
地域で生活していると、いろいろな人間のつながりが育っていきますから、選挙などではどうしても「人情」が関係してきます。
選挙は必ずしも政策や理念で決まるものではないのです。
私は、それは必ずしも悪いことではないと思っています。
この挽歌に書いたかどうか忘れましたが、先月行われた我孫子市の市長選挙では私は現職に対抗して立候補した若い候補者を応援しました。
相手方の現職の市長の一番の味方は、私のよく知っている人でした。
節子の葬儀にまでわざわざ来てくれた人です。
にもかかわらず私は、相手方に加担しました。
その人がもし自ら市長に立ったのであれば、私はその人を応援したでしょうが、残念ながらその人が味方した人は私にはとても支持できない人でした。
節子がいたら、どうしたでしょうか。
今回は、たぶん私と同じ判断をしたでしょうが、話し合えないのが残念です。
それはともかく、ポストに節子宛の手紙を見つけるととても複雑な気持ちがします。
うれしいような、腹立たしいような、不思議な感覚です。
以前はどちらかといえば、腹立たしいほうが強かったのですが、最近はむしろちょっとうれしい気分なのです。
やはり私自身が変わってきているようです。
時間と共に変わることと変わらないことが、どうもあるようです。
ところで、この手紙ですが、彼岸に転居したと言って、郵便局に転送してもらえるといいのですが、無理でしょうね。
まあ一応、位牌の前に報告しておきましょう。
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