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2011/02/14

■節子への挽歌1261:プレゼント

湯島に行ったら、ポストに2つのチョコレートが届いていました。
そういえば、今日はバレンタインデイです。
今日、湯島にやってきた方も、やはりチョコレートを持ってきました。

実は、節子はよく知っていましたが、私はバレンタインデイのチョコレートのやりとりが嫌いなのです。
贈ってくださった人には申し訳ないのですが、あんまりいい気持ちはしないのです。
商業主義的なそうした流行を、私は生理的に受け付けられないのです。
それに、私よりも、もっと贈るべき相手がいるだろうと思うのです。
といっても、ユニセフもフォスターピアレントも、あんまり好きにはなれないのですが。

その話を娘にしたら、お父さんがお母さんにプレゼントをした記憶がないというのです。
これはまた心外ですが、そう言われるとそうかもしれません。
娘が言うには、節子の誕生日に娘たちが何かプレゼントをしようと話していると、お父さんも仲間に入れてくれと言って、あとは費用負担だけすることが多かったようです。
しかも私と節子の財布は一緒でしたから、お金はお母さんからもらっておいてという感じだったようです。
贈り物とは、相手に喜んでもらえるものを心を込めて、時間をかけて、選ぶところに意味があるというのです。
まるで節子のようなことを言います。

まあ私もそう思います。
家族以外に贈り物をする時には、かなり考えます。
しかし考えてもいい知恵が浮かばないので、節子がいる時は、節子に、この人はこういう人だから良いものを選んでよ、と頼む癖がついてしまったのです。
人には得手不得手があります。
ともかく私は買物が不得手なのです。
最近はかなり慣れてきましたが、今でも支払は自分ではほとんどしません。
大きな買物には娘についてきてもらい、お金を払ってもらいます。
何しろ私は財布さえ持っていないのです。

ところで、プレゼントの話ですが、節子も私からプレゼントをたまにはもらいたかったと娘たちに話したことがあります。
しかし、たぶんそれは話の勢いでしょう。
節子は、私がプレゼントしないことを不満には思っていなかったと思います。
それだけは少しだけ自信があります。
節子が欲しかったものは、私はすべて節子にあげていたからです。
そして、私も節子からすべてをもらっていました。
ですから時々節子が何かをくれても、うれしくもありませんでした。

そういうものじゃないでしょう、とこれを読んだ娘から怒られそうですが、今から考えると、やはり節子もプレゼントが欲しかったのかもしれませんね。
これを書いているうちに、そんな気がしてきました。
そういえば、指輪が欲しいというような話になったので、好きな指輪をあげるから買っておいて、と言ったら、節子は結局買いませんでした。
やはり、あの時はこっそり買って渡すべきだったのでしょうか。

これ以上書くと、いろいろぼろが出そうなのでやめましょう。

ところでもらったチョコレートですが、結局、食べてしまいました。
美味しかったです。
宗旨を変えたほうが良いかもしれません。
何しろ最近は「ぶれる」のが流行のようですので。
節子はぶれない人でしたが。

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妻への挽歌07」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。4回目です。

あまりにせつなく泣けてきました。
夫婦の情愛は、せつなく心に沁みるものですね。

 亡き主人が私の誕生日に、一回だけプレゼントしてくれました。
その頃、京都から大阪に通っていた主人ですが、大きな花束を持って
帰って、おめでとう~と言ってくれました。
 それが~趣味の悪い~笑 どぎつい色の真っ赤や花々でした。
阪急電車の中で、さぞかし恥ずかしかっただろうと思いました~笑
男の方は、無骨で不器用で愛情の表し方も下手で…
でもわかるんですよね。夫婦の心はお互いに~夫婦しか解らない心です。

 一途な想い出があるって、佐藤さんは幸せな方ですね。
私も読ませていただいて、なんだか込み上げました。素敵なご夫婦だったんですね☆


    ※ 自己本位なコメントで申し訳ありません。伏せていただいて結
      構ですから…

投稿: ライム | 2011/02/15 11:37

ライムさん
4回目の投稿、ありがとうございます。

私はついに花を贈ることの無いままになってしまいました。

先日、オフィスに大きな花を持って来てくれた人がいます。
電車で持ち帰りました。
ちょっと遅きに失しました。
花を事務所に持って来てくれた人は、妻のこともよく知っている人です。
私への懲らしめだったかも知れません。

投稿: 佐藤修 | 2011/02/15 18:00

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