■節子への挽歌1278:節子のいないひな祭り
節子
ひな祭りです。
今年は節子のつくった雛人形は登場しませんでした。
ユカのコーナーにミニ雛人形が飾られただけです。
節子の文化は、「手づくり」を重視することでした。
私の稼ぎが低くてお金があまりなかったせいもあったかもしれませんが、私も節子もできることは自分でやろうという姿勢が強かったのです。
以前も書きましたが、私の場合はそれが結局は直るものまで壊してしまうこともあったのですが、節子の場合はまあうまくいっていたようです。
雛人形もすべて節子の手づくりでした。
最初は木目込み人形でしたが、以来、いろんなスタイルの雛人形が生まれました。
娘が大きくなってからはつくるのはやめていましたが、かわりに毎年、いろんな工夫で、家を飾っていました。
短冊の雛人形や手づくりではないのですが、どこかから買ってきた小さな雛人形が、家のどこかに、その時期になると置かれるのです。
ひな祭りだけではありません。
季節に応じた小物が、わが家を飾ってくれていました。
この季節であれば、誰も食べない雛あられも買ってきていました。
季節を大事にするのは、花が好きな節子にとっては当然のことだったのでしょう。
私はそのおかげで、季節感を持ちつづけることができました。
節子のその文化は、一部は娘たちにも伝わりました。
しかし、今年のひな祭りにはたしかに雛あられはありませんでした。
今年のひな祭りは、残念ながら、ユカのコーナー(わが家には家族それぞれの小さなコーナーが廊下の壁にあるのです)にミニ人形が飾られただけでした。
まあ、こうした小さな小物を飾るのも節子の文化なのですが。
しかし、節子がいないと、ひな祭りという気分はまったくしませんね。
それでも、今日はひな祭りなのですね。
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