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2011/03/12

■節子への挽歌1287:うれしい電話

節子
陸前高田が津波で壊滅してしまいました。
以前お会いした人たちは、どうなったでしょうか。
こころ痛みます。

しかし、悪いことばかりではありません。
地震のおかげで、思ってもいなかった人からの電話をもらいました。
いつも気になっていたOさんです。
まさかOさんから電話が来るとは思ってもいませんでした。
どんな時にも、うれしいことはあるものです。

Oさんは一度は死を考えたことのある若者です。
その直前に相談を受けたとき、私は節子のことで余裕がなく、上手く対応できなかったのです。
要するに、Oさんの置かれている状況に合わせての感情移入ができなかったのです。
しかし、節子は違いました。
節子に言われて、そのことに気づきました。
そのことを、いまもとても悔いています。
しかし、Oさんは、そうした中途半端の私の対応にもかかわらず、私に感謝してくれているのです。
うれしい電話です。

Oさんは名古屋にお住いですが、茨城に近い我孫子に住んでいる私のことを心配して電話してきてくれたのです。
千葉の情報はあまりテレビでは報道されないので、実状は見えないのかもしれません。
情報がないと、人は悪いほうに考えがちです。
Oさんは、とても心配して、ライフラインは大丈夫ですかと訊いてきました。
辛い状況を体験した人は、他者の痛みを思いやれるようになるのでしょう。
とても心配しての電話でした。

久しぶりに電話で話したOさんは元気そうで、何か必要なものがあったら送りますと言ってくれました。
こんなうれしい言葉はありません。
これも節子のおかげです。

節子
Oさんは元気です。

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