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2011/03/30

■節子への挽歌1305:地球は存続しているのか

節子
どこかおかしい気がします。
私が、ではなく、社会が、です。
何かがおかしい、そんな気がしてなりません。
これまで感じたことのない、奇妙な感じです。
現実感がないのです。

若い頃、読み耽っていたSF(空想科学小説)の影響が今頃出てきたのかもしれません。
それはこんなイメージです。
福島原発が核爆発を起こし、その連鎖で地球が消滅。
時空間が歪み、時間の流れが混乱し、いま私はその残渣としての超時間的存在に投げ出されている。

夕方、人と会うために、これから自宅を出る予定ですが、わが家の周辺はなぜかひどく静かです。
まさに亜空間に閉じ込められて、漂っているような気分です。
まるで自分が幻想の世界を遊泳しているような気分になります。

これほどの惨事が近くで起こりながら、みんな競って食材を買いあさる。
どう考えても納得できる世界ではありません。
原発事故は深刻さを増しているのに、同窓会のゴルフの案内が回ってくる。
テレビでは、相変わらず内容のないタレントのトーク番組が流れ、人の不幸を題材にした安直な報道番組が流れています。
キャスターやコメンテーターや学者なども、毎日、同じようなことを話しています。
話してばかりではなく、やることがあるだろうにと思います。
とんでもないほど恐ろしい話なのに、記者会見で話す人たちは、感情ももたずに話しています。
私にはゾンビのように感じます。
この世界は、本当はもう存在しないのではないか、気づいていないのは私だけという気がしてくるのです。

もしかした、もうみんな彼岸に来てしまっているのかもしれません。
もしそうなら、どこかで節子に会えるかもしれません。
さてそろそろ出かけましょう。
節子に会えるといいのですが。
この歪んだ亜空間が消滅しないうちに。

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