■地震と支え合い
東北地方太平洋沖地震は、その被害の大きさがわかるにつれて、いかに大きな地震だったかがわかってきました。
今もなお余震を感じます。
昨夜はずっとテレビを見ていました。
この天災によって、改めて見えてきたこともあります。
テレビによれば、すでに50の国からの支援申込みがあったそうです。
韓国からはまもなく軍隊が到着し、支援作業に当たってくれるとのことです。
支え合う文化は、やはり人類の、あるいは生命が持っているものなのだと確信しました。
それにしても、こういう時にはサッと支え合うのに、なぜ戦争が起こるのでしょうか。
よく言われるように、もし宇宙人が地球を攻めてきたら、国家間の戦争はなくなるかもしれません、
同じように、国民の不満を抑えるために外部に敵をつくるのは国家権力の常套手段ともいわれます。
そういう意味では、自然環境問題は人類共通の「敵」になるのかもしれませんが、問題設定が「政治的」なために、それは支え合いにはつながりません。
それに関連して、もう一つ見えてきたのは、原発の危険性です。
福島原発周辺からの避難指示がでましたが、その意味はしっかりと考えなければいけません。
千葉の市原の石油タンクの火事もそうですが、どこかで私たちは生活空間の設計思想を間違っているのです。
都市計画家や建築家には、そうしたことをもっと考えて欲しい気がします。
最近の東京の都市空間は、明らかに非人間的になっています。
江戸時代の大工さんたちに比べたら、最近の著名な建築家のレベルは大幅に低下しています、
彼らに何が欠けているのか。
それは「つながり」と「支え合い」の発想です。
自然との、あるいは人間同士の、です。
その一方で、50の国が支え合いに動き出している。
この事実に、大きな希望があります。
私のところにも、インドネシアや韓国などから、大丈夫かというメールが届きました。
いくつかのメーリングリストでも、お互いに気づかい合うメールが流れています。
ちなみに、テレビで大きな被害をずっと見ていたためか、私は無事を祝い合う気持ちが出てこずに、そうしたメールを出せずにいます。
とても複雑な気持ちです。
しかし、支え合う文化は、間違いなく私たち人類の文化です。
そこには、自然との支え合いも含まれなければいけません。
いろいろなことに気づかせてもらえました。
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