■現場が見えない社会
知識社会は現場が見えない社会です。
情報社会が情報のない社会だという展望を持ったのは、30年ほど前です。
その頃書いた「非情報化革命論」は未完に終わっていますが、その頃から視点を変えると世界は全く変わってくるということに気づいたのです。
25日の時評に、「現場の情報は、マスコミはほとんど伝えません」と書きました。
その一例が沖縄の辺野古の北の東村高江(ひがしそんたかえ)で起こっていることです。
私も最近まで知りませんでしたが、メーリングリストで関連情報が繰り返し流れてくるので、少しずつ知るようになりました。
高江は、約160人が暮らす沖縄の人たちの小さな集落ですが、その集落を囲むように米軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)をつくる工事が始まっているのだそうです。
いまでも真横に米軍の訓練センターがあり、その関係で米軍へりが低く長く飛んでいるそうです。
これ以上ヘリが飛んだら住めなくなる、と考えた高江の人たちが、「自分の家で普通に暮らすため」に去年の7月から工事現場の入り口で、工事をやめてもらうために座り込みを始めたのだそうです。
これは、「やんばる東村高江の現状」というブログで知ったことです。
一時期、あれほど報道された沖縄の基地問題も最近はぱったり報道されなくなりました。
しかし、当然のことですが、現場では決して止まることなく事態は進んでいるのです。
今日も、そうです、いまこの時間も、高江では座り込んで抗議している人と建設作業者とのいざこざが起こっているわけです。
その動きが刻々とメーリングリストで流れてきます。
そこでの抗議活動に関して、スラップ裁判も起こっているようで、明日、その7回目の裁判が那覇地方裁判所で行われるそうです。
しかし、沖縄防衛局は前回1月の裁判日に住民が那覇地裁へ出向いている日を狙って、高江現地で工事を強行するという卑怯で愚劣な暴挙に出たそうです。
こんな悪質なことが現場で起こっているのです。
どんな事件かは次を見てください。
http://shunji.ti-da.net/e3290672.html
またスラップ裁判とは何かは次のサイトを見てください。
http://slapp.jp/slapp.html
こうした動きの中に、いま日本で進んでいる状況が示唆されています。
しかし、マスコミは報道しようともしていないような気がします。
もちろんこれは、ほんの一例でしかないのです。
みなさんのまわりにも、そうした不条理な事例はあるかもしれません。
それは決して例外的な事例ではないのです。
そこにこそ、すべての象徴がつまっているのかもしれません。
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