■現場との距離
昨日、東京電力の福島支社の担当の方が記者会見で、声を詰まらせていました。
今回の事故に関わる記者会見で初めて見た、人の表情です。
その後、東京本社の担当の方の記者会見が放映されましたが、両者には大きな違いがあります。
表情を出せばいいということをいいたいわけではありません。
その違いに、大きな意味を感じるのです。
現場からの距離によって、現場の見え方は変わってきます。
しかも、現場からの距離は仕事の細分度(分業度)と比例しています。
いいかえれば、責任感が希薄になるということです。
あるいは物事を客観的に把握できるようになるという言い方もできるかもしれません。
実はそこにこそ「近代の本質」が象徴されているように思います。
客観性は、真実性とつながるわけではありません。
私は、人の表情の中にこそ、真実が見えると思っている人間です。
昨日の福島支社の記者会見のメッセージは、とても大きなメッセージだったと思います。
そろそろ近代は終わらせなければいけません。
| 固定リンク
「社会時評」カテゴリの記事
- ■言葉に管理される人間から言葉を活用する人間へ(2022.04.15)
- ■「人新生の時代」か「人消失の時代」か(2022.04.15)
- ■「これがスポーツか」(2022.02.17)
- ■コロナ感染不安症に私もかかってしまっているようです(2022.02.16)
- ■コロナ恐怖症候群の脅威(2022.01.24)
コメント