■情報は家畜への餌ではない
記録の意味でも書いておこうと思います。
昨日のテレビ朝日の「サンデーフロントライン」の「どうなる福島第一原発」特集で、東京電力の協力企業社長のインタビューが放映されていました。
顔にモザイクをかけた映像でしたが、モザイクはかなり粗く、誰であるかは容易に特定できる映像でした。
そこに、その社長の覚悟を感じました。
社長はいま、福島原発の現場で回復作業を行っており、いわゆる「フクシマ50」と言われだしている「ヒーロー」の仲間です。
社長は涙声で話していました。
「俺はずっとみんなに、『原子力発電所はルールに従って運転すれば安全だ』と言ってきた。お年寄りが俺に原発のことを聞くんだ。で、俺は『原発は安全だよ。そうでなきゃ原発から3キロ以内に住むわけないよ』と答えると、『そりゃそうだな』と納得してくれたんだよ。それがこんなことになってしまった。俺は地元を裏切り、ご先祖を裏切り、社員を裏切り、日本国中を裏切ってしまった。この文章は、ある人が送ってきてくれたメールを転用させてもらいましたが、私の記憶と同じです。
でも、愚痴を言っている場合じゃない。ただ、俺たちは原発のヒーローにはなりたくない。当たり前のことをやっているだけなんだ」
その時の雰囲気から、社長は安全を信じていたわけではなかったように思いました。
かといって、疑っていたわけでもない。
要は考えていなかったのです。
私たちの多くと同じように、です。
それがこの数十年の日本の社会でした。
お金が最優先されたのです。
この社長が告白しているように、みんながお互いに原発の安全神話を創りだしてきたのです。
もちろん、そうした状況を仕組んだ人たちはいるわけですが、電気利用者はすべて例外なく、原発の恩恵を受けてきたのですから、よほどの行動をしてきた人以外は、自業自得なのだろうと思います。
前に書いたように、原発を許したときに、すべては始まっていたのです。
まずは自らの責任を自覚してから、他者の責任を追及すべきです。
東京電力の前でデモをする人たちには、その覚悟がありません。
原発事故に関する政府の発表とは違う情報が流れています。
その中には扇動的なものも少なくないですが、そうではないものもたくさんあります。
大切なのは、現場の情報です。
ネットを活用すればかなり見ることができます。
さまざまなメーリングリストでも流れています。
いま私たちができることの一つは、自分でしっかりと情報を見つけ出すことではないかと思います。
これを機会に、情報環境を見直し、広げることをお勧めします。
情報は与えられるものではなく、発見するものであることはいうまでもないからです。
情報は家畜への餌ではないのです。
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