■第三次インティファーダの動き
中東の動きがなかなか見えてきませんが、先週、メーリングリストで次のような情報が流れてきました。
真偽のほどはわかりませんが、ネットで調べたらどうもそうした事実があるようです。
この3月末から4月にかけてイスラエルに対する「第三次インティファーダ」を呼びかけたフェイスブック・ページをイスラエルとシオニスト団体がその圧力によって削除させました。(出典:松元@パレスチナ連帯・札幌)
インティファーダ。
以前、ホームページで少しだけ書いたことがあります。
インティファーダはそもそも「蜂起」という意味ですが、パレスチナ問題においては1980年代後半に起こったパレスチナでの住民蜂起をさします。
「石つぶてで圧政者に立ち向かう住民」に対して、最新兵器で掃討するイスラエル軍」という構図が報道されたために、その蜂起は国際世論を起こしました。
まだフェイスブックなど広がっていない時代でしたが、イメージの強さはいつの時代にも風を起こします。
中東の民主化革命のはしりといえるでしょう。
今回、チュニジアから始まった中東の住民蜂起はエジプトでは大きな変化を起こしましたが、リビア、シリア、イエメンなどではなかなか成果をあげられずにいます。
これに関してもさまざまな論考がネットで流れています。
そこに新しい希望を見る人も少なくありませんが、対立は激化し、ますます暴力的な様相を呈しています。
それに対して、第三次インティファーダが呼びかけているのは、非暴力の住民蜂起です、
蜂起ですから、暴力的要素が全くないわけではないでしょうが、個人が主体か組織が主体によって、暴力の性質は全く異なります。
第一次インティファーダでは「投石 対 最新兵器」と言われましたが、そのことに住民蜂起の本質が象徴されています。
つまりインティファーダは、個人対組織の対立構造とも言えるのです。
そしてそれこそが「民主化」につながります。
住民蜂起のない「民主化」は、たぶん画に描いた餅でしかないでしょう
いまの日本を見ると、それがよくわかります。
こういう状況の中で、ビンラディンは暗殺されました。
インティファーダを呼びかけた人たちにとって、ビンラディンは敵だったのか味方だったのか。
それはわかりませんが、少なくとも蜂起する住民たちを支えているのは、憎悪ではないはずです。
そこに私は未来を感じます。
そして、同時にオバマの大統領就任演説が虚しく思いだされます。
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