■節子への挽歌1343:井口さんからの新茶
節子
井口さんから毎年恒例の新茶が届きました。
お茶好きの節子に供えさせてもらいましたが、久しぶりに井口さんに電話しました。
奥さんが出ました。
節子は会ったことはなく、手紙だけの交流でした。
その井口さんの奥さんが体調を崩してもうかなりになります。
難しい病気で、なかなか治療法がないようです。
何か私に出来ることがあればいいのですが、私には何ができるか検討もつきません。
節子がいたらもう少し何か方策があるような気もしますが、私はただ心配することしかできません。
井口さんに限らず、こうしたことがこれまでも何回もありました。
夫婦の付き合いや女性への対応は、節子がいない私には難しいのです。
井口さんは、奥さんとできるだけ一緒にいるようにと勤務を辞めました。
仕事は続けていますが、仕事量は激減したはずです。
大学の教授だったのですが、その潔さに感服しました。
それだけではありません。
昨年、転居することにしましたと連絡があった時には驚きました。
奥さんの体調を考えての決断だったようです。
ますます感服しました。
私も節子の体調に合わせて、少しだけそれに似たような決断をしましたが、いまから考えるとやはり中途半端でした。
思いだすと悔やまれることばかりです。
久しぶりに電話で話した奥さんは元気そうでした。
その旨、伝えると、最近ようやく底を脱しましたという答が返ってきました。
とても明るい声でした。
辛い体験もお聴きしました。
看病していたお母さんを数か月前に見送ったようです。
しかしそれが逆に一つの節目になったようです。
おそらくとても深く愛していたのでしょう。
矛盾しているようですが、私にはそんな気がします。
代わって電話口に出てきた井口さんも元気そうでした。
とてもうれしい気持ちになりました。
伴侶の体調の辛さは、わかり合えるようで、なかなかわかりません。
それが私の体験的反省です。
しかし、2人で取り組んでいる時は、お互いにとても幸せなのかもしれません。
井口さんもしばらくは仕事があまりないようです。
お二人でゆっくりと季節を楽しまれることでしょう。
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